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殿堂入りしてました……!
本当に有難う御座います…!
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風を切り裂く音が、耳元で鳴り響く。
割れた窓ガラスと先程まで居たビルが下から上に遠ざかっていった。

Aは落下高度とどんどん上がっていく落下速度に気を失いそうになりながら必死に意識を飛ばさないようにする。

意識を飛ばしたら死ぬ。
確実に、だ。何故か?着地出来ないから。

ぐんぐん近付いてくる地面を見て、Aは集中する。
異能力にこのような使い方があるのかは全くの不明だが、やるしかない。

理論上はいけないくはないよな、と仕事中にふと思ったことを真逆このような形で命を張って実践することになるとは思わなかった。

コンクリートの色が鮮明に、小さかった装飾の木は大きく、星空は遠くなってきた。
風を切る音の他に、心臓が早鐘を打つ音も聞こえてくる。
手に汗を握って思う。

嗚呼、失敗したら頭から地面と衝突だな、と。

失敗は許されない。
大学に行けない。ボーナスを貰えない。聡司に会えない。
生きていないと何も出来ない!

地面との距離なんて、ブルーライトでボロボロのAの目による目視だ。そんなに正確とは言えない。
それに、計算があっているかなんて、過去の自分を信じるしかない。

風圧に負けないように、必死に目をこらしてその時を待つ。
__今!

Aは右腕を少し動かした。
Aは右腕に力を込め、手の平を下に向ける。

「か、いだんっ!」

下級霊が右手から出ていく。
相当の威力で地面に向かっていき、Aよりも少し早く地面に到達する。

そしてAが地面に叩きつけられた。しかし、先程の下級霊がクッションになったので生きている。
落下が一瞬止まり、そして秒数経過で下級霊が消え地面に前半身がついた。

これは本来敵に攻撃するための物の技。
怨念やマイナスの感情などの”負の実体”を実体化する物。
秒数が経てば消えてしまうので、一秒ミスすればここに血溜まりが出来ていただろう。

残る緊張感と安堵の胸の高鳴り、恐怖の冷や汗を残しながら立ち上がり振ってくるであろうガラスを回避するために急いで距離をとる。
落下の刺激で悪化した腕が紫色になっている。
警備服を破いて腕に巻いただけなので血も止まらない。

「……はぁ。」

帰ろ。
緊張がなくなった反動で負の感情が急に高まったAはフラフラと夜道を歩き出した

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綾部伊沙(プロフ) - 鯖印の鯖味噌味の鯖さん» 鯖!? 超絶久し振りだな 見てくれてたんですね! ありがとうございます!今から作りま〜す  (2023年4月27日 19時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)
綾部伊沙(プロフ) - 灯花さん» コメントありがとうございます! 続いてしまいましたね汗 もう少しお付き合い頂ければ幸いです。 今から続続編作りますね〜 コウカイデキルカハベツダガ (2023年4月27日 19時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)
鯖印の鯖味噌味の鯖(プロフ) - わーいうれぴ🫶続続編頑張れ! (2023年4月26日 21時) (レス) @page50 id: 18bb949ae1 (このIDを非表示/違反報告)
灯花(プロフ) - 続続編がんばれ!楽しみにまってます! (2023年4月26日 14時) (レス) @page50 id: 118fbd2628 (このIDを非表示/違反報告)
綾部伊沙(プロフ) - 雪見さん» !!?!?? ありがとうございまずッッッッ 今日普通に塾だったしケーキ食べてないわで一寸寂しかったんですよ泣 あぁぁぁ嬉しいです!!覚えていて下さってありがとうございます! めっちゃやる気出ました更新頑張ります!! (2023年4月22日 22時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾部伊沙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e8e9c819a37/  
作成日時:2023年3月2日 18時

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