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一瞬でも魔が差した自分を醜く思えた。
そうだ。
私____。
『うるっぜえな!じらねぇっでいっでんだろ!』
「ほ〜ぉ?じゃぁ、次は目だな。」
目に鋭い刃物が近付いてきた。
不思議と、痛みはすごいし死にそうだけど、客観的に見られた。
耳があるのは奇跡だったんだ。
生まれつきないかもしれないし、こんな風になくなるかもしれない。
目だって、足だって、腕だって。
耳を失って、他のところがあるのが奇跡に思えた瞬間。
動きを見切れた。
思いっきり、体をのけぞらせた。
そのまま、頭を捻って、手に噛みついた。
悲鳴をあげる男を無視して、そしてそのまま、思いっきり顎に力を入れて、顎を引いた。
ぶちっ、と言う音がした。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
男が刀を落としたのを見て、他の奴らが拾いに行くけど、関係ない。
おれてない方の足で、蹴り飛ばす。
刀は牢屋の格子の下を通って、反対側の牢まで飛んでいった。
『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
折れたはずの足が、動いた。
「おいっ!嘘だろ!」
地面にぶっささっていた棒が抜け、縄がほどける。
「な、なんだこいつ!」
「落ち着け!相手はたかたがガギっ」
思いっきり首に拳をぶつけた。
そいつは倒れる。
『……次は、どいつだ?』
殺気を向けた所までしか、私は覚えていない。
当時助けに来てくれたセンパイによると、敵味方関係なく血まみれで倒れていたらしい。
私は狂っていた。
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綾部伊沙(プロフ) - れいら・マリもオワゴリラさん» コメントありがとうございます! 正直忘れかけてたこの作品…笑 更新いつか受験が終わったら更新するので今後ともよろしくお願いします! (2022年12月6日 21時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)
れいら・マリもオワゴリラ - こんにちわ。この小説読みました。こんなに面白いお話初めてです!思わず吹き出しちゃいましたw更新楽しみにしております (2022年11月26日 23時) (レス) @page33 id: 661d7579e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綾部伊沙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e8e9c819a37/
作成日時:2022年3月7日 16時