【短編集】少しの幸せを貴方に【2j3j】 (ページ26)

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「なんで、なんで嘘つくの？ずっとずっとAはそうだよね。いつも嘘をついて早く逝く」

長い長い時を共に過ごしてきたような言葉を私に言う

それ覚えてないよって言ってもAとの思い出だもんっていつもいつも頑なになっていた

生きているはずのない戦争のこととか、着物の方がいいとか洋服は似合ってないとか

私には無い私との記憶がサーニャにはあった

『また会えるから』

その言葉が彼女を傷つけ縛っていると知らずに

あと少しの日々をサーニャとどう過ごすか

ゆっくり考えていきたいなって

ついさっきまでそこにいたサーニャの姿はなく、よく晴れた窓枠の外の景色と満開な桜の木が私の瞳に写るだけだった

※エイプリルフールネタを6月に出す作者を許してください……