【2j3j】平行線上の想い【合作】 (ページ39)

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ⅴ 前進チャンスページ39

僕たちは元々幼馴染で、家が近かった。それに彼女は元々ドジなところがあって、よく忘れ物をしていたっていうのも多分あったんだと思う

だから、つまり、そう。今回のことだっていつも通りのことかと聞かれれば、間違いなくそう。

彼女……Aはちょっと惚れっぽいとこがあって、いつも誰かに恋しては破れている。悲劇のヒロイン、或いは天性の恵まれていない恋愛運の持ち主。

そういう彼女はいつだって僕のことは好きになってくれない。

僕だって顔がいい自信がありますし、君のことを誰よりも知っていれば誰よりも愛す自信だってある。

性格は……まあ、悪くはないでしょ。

だってあなたは幼馴染のままで居てくれるんですから。

それでも彼女は振り向いてくれないし、鈍い彼女にとっては声に出さないと伝わらないわけで、ずっとひた隠しにしている僕の恋心は当たり前といっていいレベルで伝わっていない。

恋は盲目だって言いますけど、一番身近にいて結構隠せていないらしい(葛葉達に言われて知った)僕の恋心すら分からないとはさすがに盲目が過ぎないですか。まあ、そういうとこも好きだから構わないんですけどね。いや良くないな。

そういう彼女が、また告白をするらしい。何回目かは興味が無いので忘れたけど、何度目かの告白をするらしい。

部活の後輩らしくて、屋上に呼び出すんだと。僕もあの子をからかうために相手の好きな人とか一応探りを入れているのでいつもは負け試合なことも知ってたんですけど、今回はそれとは訳が違う。

だって相手側も彼女のことが好きなんだと知っているから。というかバレバレなんですよ、あの人。僕のAなのになんなんだ、と言いたくなったけれど告白もしていない僕はそういうこと言う資格なんてあんまりないかなあ、やっぱり。

そう思って、過ごした放課後はなんというか、やけにどこか気になってしょうがなかった。