【2j3j】平行線上の想い【合作】 (ページ30)

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「緑仙と両思いだと思ってたんだけどな〜。私は今もそうだよ？」

そういう君の表情には寂しげなんて少しも含まれていない。

「両思い、だったよ実際に。でももう僕は君のこと好きじゃないから」

「そうだろうね」

「……理由は聞かないの？」

どうせ聞いても教えてくれないでしょなんて言いながら席を立つ君。相当僕のことを理解してくれていて、それでいて知らないフリをする。

「ちゃんとクラス行きなよ」

僕の返事なんて期待していないように言い捨てて去っていく君の後ろ姿は少しだけ悲しそうに見えた。

クラスメイトが心の内で僕という存在に対してどんなことを思っているのかが気になって距離を詰められない。

君はそれすらも見抜かしていて、それでいて僕を救おうとしてくれているんだろう。
意味がわからない言葉で振った僕を。

僕のこの気持ちはきっと、君自体を独占したいんじゃない。君が僕にくれるその愛おしそうなものを見る瞳と柔らかい声が欲しいんじゃない。

その君の気持ちを僕だけに向けて欲しいだけ。

君のそれは『好き』の気持ちと一緒なのかな。そう考える僕は臆病で。たった一言君の口から聞いていない言葉のせいで全てを疑ってしまう。

『好き』を頑なに君は発しないのだ。

君を信じることが出来る日は来るのかな。僕が頑張るしかないことはずっと前から分かっている。

君の気持ちを知らない振りをしている僕は君に嫌われてしまうだろうか。