【2j3j】平行線上の想い【合作】 (ページ13)

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ⅱ さようなら、俺の想い人ページ13

「あの子可愛くない？」

「あー、わかるー」

なんて友人達が会話する。その話題の人物は、俺の想い人だった
彼女は優しくて、顔立ちも可愛らしくて。でも大人しい性格だった

「俺あの子好きかも」

「ぇ、」

友人の言葉に、「俺も」なんて言えればいいのに
そんなこと言えるわけもなくて
その日はそのまま何も言えずに解散した

◇◆◇

「あ、三枝くんおはよう」

「おはよ…」

翌日、大学に行くと挨拶をしてくれる彼女に胸が高鳴って。
でもどこかぎこちなく返事をした
…どう、しよう。もしあいつと彼女が付き合ってしまったら…
なんてことばかりを考えていると、首を傾げた彼女が俺の顔を覗き込む

「大丈夫…？具合悪い？」

「う、ううん大丈夫」

心臓がどくどくと脈打つ。
…色々考えすぎて彼女に心配かけるとか馬鹿みたいだ
そう自分に毒ついて、席についた

❖❖❖

「…付き合うことになった？」

「そう、あの子に告白したらOKもらえたんだよー」

嬉しそうな友人にへぇと返す
…きっと、今の俺の顔には引き攣った笑みしか浮かんでいないんだろう
ああ、本当に危惧したことが起こってしまった
告白しないで失恋するくらいなら告白するべきだったなぁとぼんやり考える
彼女と帰るという友人を見送って、項垂れる

「…はぁ」

意気地なしがすぎて自分でも呆れてため息が溢れる
…ほんとダメだなぁと思いながら立ち上がると、目の前でドアが開く

「うぉ…」

「わ、ごめん…三枝くん、今帰り？」

「あ、うん」

噂をすればなんとやら。彼女がそこにいた
驚きながら、横を通り過ぎて自分の机の中を探る彼女を見る
…どうやら忘れ物をしたらしい

「あ、そうだ」

「何？」

「三枝くん、今度あの…誕生日プレゼント渡したいんだよね、」

〇〇くん、と友人の名前を出して嬉しそうにする彼女にああ…と思う
…幸せそうだ
彼女が幸せなら、俺に何かできるわけはなくて

「だから、相談してもいい？」

「……うん、いいよ」

「わ、ありがとう！三枝くんくらいしかこういうお話できる人いなくて…助かる…！」

…嬉しそうに、君が笑う
本当に、あいつのことが好きなんだなと思う。
俺の恋はこれで終わりなんだと悟って、彼女の言葉に微笑んだ