【2j3j】平行線上の想い【合作】 (ページ12)

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俺らの関係は言葉で表せない複雑なもの。

Aからしたら俺の存在はただの都合のいい男なんだろう。そんなこと知っていて近づいたのは俺の方だ。俺を利用していいからと。ほんのちょっとの下心と一緒に近付いた。

まるで付き合っていた男女の別れ話のワンシーンのように、別れたい理由を聞いたあとのように伝える。俺がAの彼氏がだったことは1度もないのに。

「明那、明那……？」

いつもニコニコと笑顔を絶やさない俺が、急に真顔になったから驚いているのだろう。

「お前彼氏できたの？」

「え、」

聞きたくなかった疑問を簡単に言葉にできる。どこか俺の中からAへ長年積み上げてきた気持ちが薄れていく気がした。

自分達を恋人だと一瞬でも思ってしまったのが良くないのか。Aの1番近くはこの三枝明那だと思っていたのに、言い淀むAを見て冷めたのか。

よく分からないけどそのよく分からない気持ちに対しての嫌悪が心を埋め尽くす。

「ついさっきまでAのこと好きだった。お幸せに」

普段の俺からは考えられないくらい低い声で、少しも口角の上がっていない顔で告げる。初めて見る顔に戸惑ったのか、なにか声を発していた気がするけど気にせず校門をくぐる。

恋心は簡単に失われていく。