いかないで ページ4
「A」
「流石にここは分かるかぁ」
自嘲するように笑って声の主の顔を見ることも無くスマホの画面をつける
先程投稿したばかりのインスタのストーリーを削除した
ショッピングモールのフードコートでドーナツを1人頬張っていると、制服を着たままの灰くんが左隣に立ってわたしを見下ろした
三階まであるここのショッピングモールは屋上が駐車場となっておりインスタ映えをねらう女子たちはよく行ってるように思う
わたしもそこに行ったけど、ダンス部の畠山さん達がいたから直ぐに帰ってきた
車を止めるためのスペースにリュックなどを置いて縁石にスマホを立てかけては、顔を隠して写真を撮ったり音楽に合わせて軽く踊っている
迷惑以外の何物でもないけど、この日は屋上まで車を止めに来ている人は少なく注意されることも晒しあげられることもなかったみたい
狂った予定を埋めるためにフードコートで1人黙々とドーナツを食していたところだ
「またそんな食べて。太るよ?」
「失礼な。灰くんはもっと食べるべき」
「じゃあこれ一個貰う」
いいよって言ってないのに手に取って食べ始めたのはゴールデンチョコレート
わたしが1番好きなやつ
好きだから最後に残しておいたのにこいつは……
あまりにも無表情すぎるその顔を見ると、今日のゴールデンチョコレートはあまり美味しくないのではと錯覚してしまいそうだ
そんなこと絶対にないのだけれど
あ、最後の一口になって残念そうな顔をしている
食べるのが惜しい顔ができるなら美味しい顔もできるだろ思ったのは言うまでもない
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めろんぱん(プロフ) - ののんのさん» コメントありがとうございます!無事完結させることができました。応援ありがとうございました🙇♂️ (2022年9月4日 22時) (レス) id: 76b5c4bb1a (このIDを非表示/違反報告)
ののんの(プロフ) - 作者様の書くお話好きです!!更新頑張ってください! (2022年8月31日 2時) (レス) id: 5b7085a619 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めろんぱん | 作者ホームページ:https://twitter.com/meronpann_yume
作成日時:2022年7月28日 21時