翼をください。【爆豪勝己】 (ページ10)

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5時に帰りましょうの曲って独特だよねページ10

「.............」

「.............」

また2人して、無言で帰りを歩く。

けど、さっきまであんなに気まずかった空気がガラリと変わって逆にこの無言で隣を歩くこの道がとても心地いいなって思ってる。

ちょっとだけ、勝己の2歩後ろぐらいを歩いてその背中を見つめてみる。

変わったなぁ.......、

まだ私たちが片手で数えるくらいの年の時、3人とも同じ身長で同じ幅で歩いていた。

はずだった。

勝己は成長すると共に身長がどんどん伸びて、日々の鍛錬のおかげで引き締まった身体をしていて。

あんなに可愛かった声も声変わりをし始めてかっこよくなっちゃって。

出久も最近、なんか筋肉がつき始めた気がする。

置いていかれたなぁ......

いやだな.......

私だけ、私だけが何もなくてひとりぼっち。

息が詰まる。

「おい」

いつの間にか数メートル先に勝己がいた。
どうやら、私はぼーっとして足を止めていたみたいだ。

「かっちゃん.......？」

「.......早く来いよ。置いてくぞ」

そう言って、勝己は“昔”みたいに私に手を差し伸べた。

.......ううん、確かに見た目とかは変わってきてるけど、勝己は変わってないよ。

だってこんなに、手があったかいもん。

鼻の奥がツンとして、涙が溢れた。

けど、勝己は何も言わずに私の手を優しく引っ張って先を歩いてくれた。