２つの糸3

仲直り2 ページ44

彩「やっぱりねぇ…。小塚さんは、どうして逃げ遅れたの？」

小塚「誰かのお婆さんが足が不自由だったんだけど、誰も助けていなくて、鬼に襲われてたから

　庇ったんだ。そうしたら、今度は僕が襲われて…。アーヤが助けてくれないともうダメだったよ。」

ちょっと、小塚さんの方が男前じゃん。

アイツらは知り合いを助けたけど、小塚さんは見ず知らずの人を危険も顧みず助けた。

彩「小塚さんは、すごいね。知らない人を助けるのは、それだけですごい勇気のいることなのに、自らの

　危険もかえりみなかった。尊敬に値する。」

私は素直に褒めた。

というか、鎮痛剤でここまで話せるのもすごいわ。

小塚「あのさ、アーヤに言いたいことがあるんだけど…」

小塚さんが、おどおどせずに、決心した顔で切り出した。

彩「何？」

小塚「アーヤって、本当に早乙女さんたちをいじめてたの？本当はいじめられてたんじゃ…」

彩「どっちだと思う？」

私はあえて素っ気ない態度で言った。

彩「悪者は、どっちだと思う？」

小塚「アーヤ。」

小塚さんがキッパリと言い切った。

小塚「ごめんね、今まで信じてなくて。その、許してくれなくていいから。」

小塚君が目を伏せた。

彩「許すに決まってるでしょ？もう、上杉君も忍も翼を許しているのに、小塚君を許さない

　わけないでしょ？」

小塚「アーヤ…‼︎」

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