２つの糸3 (ページ32)

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新しい友達ページ32

花「何よ何よ！あんたら二人、若武に言い付けてやるから！除名されろ！ﾋﾟｰｰｰｰｰｰ‼︎ﾋﾟｰｰｰｰｰｰ‼︎(←自主規制)」

早乙女さんは雪山さんを連れて校舎に向かった。

そこには、私と美門さん、そして霜谷さん。

翼「じゃあ、俺はこれで…」

彩「待って！“翼”！」

私はつい翼と呼んで、呼び止めた。

彩「さっき、ありがとう！」

うまく笑えていたかはわからないけど、ちゃんと言えた…‼︎

それと…

彩「霜谷さん！私のこと弁護してくれて、ありがとう！これからもよろしくね！」

私は今度は霜谷さんの手を取りながら、眼を見つめて言った。

すると、霜谷さんは泣き出した。

霜谷「ごめんなさい、ごめんなさい。今までいじめててごめんなさい！私は…、彩ちゃんと仲良くなる資格が

　ない…からっ！だから、ちゃんと罪を償ってから…‼︎」

彩「霜谷さん。」

私が静かに言うと、霜谷さんは顔を上げた。

彩「謝罪なら、前に聞いたし、私はもう霜谷さんのことを怒ってないよ。手と手を繋げばお友達。

　これから、霜谷さん自身の存在価値を見つけるために私も全力を尽くすから。ね、“由良ちゃん”？」

由良「あ、彩ちゃん…‼︎」

由良ちゃんは余計に激しく泣き出した。

そんな由良ちゃんを宥めながら私は言った。

彩「翼。私の名前はもう、立花彩じゃない。花ノ宮彩だよ。私たちは、心の友だから、教えるね。」

私はもう一度、はっきりと言った。

彩「翼。」

って。

今年の夏は、失った友達もいたけれど、新しい友達もできたから、よかった。

私は翼の嬉しそうな顔を見ながらふと思った。