２つの糸3

霜谷さんの勇気 ページ30

花「花ねぇ、彩ちゃんに色んなものを取られたんだよぉ〜。鳥の飾りが付いたシャーペンとかぁ、

　匂い付きの消しゴムとかぁ、返してほしいよぉ〜！」

それ全部、私のものなんですけど⁉︎

花ちゃんの嘘泣きは、誰が見ても本物。

この場面だけ見れば、誰だって私が早乙女さんをいじめているようにしか見えないだろう。

その時、翼がふわっと微笑んだ。

翼「それじゃあ、彩の持っているそのシャーペンや消しゴムに早乙女さんの匂いが付いているか

　調べればすぐにわかるだろ？俺は今まで、早乙女さんたちの言葉を鵜呑みにしていたけど、

　アーヤの意見も聞くべきだった。」

花「でもぉ、本当なんだよぉ〜♡ツバサ君はぁ〜、花のことをぉ、信じてくれないのぉ〜？それにぃ、

　なんでアーヤってぇ、呼んでいるのぉ〜？」

翼「キモッ」

私は美門さんの呟きを聞いてしまった。

クールビューティーの翼と呼ばれている美門さんが⁉︎

私はびっくりして咽せそうになった。

翼は私の方を向くと、

翼「じゃあアーヤ、そのシャーペンと消しゴムを出してもらえる？」

と言った。

私は特に疾しいこともないから、頷くと両手にシャーペンと消しゴムを乗せた。

一方で早乙女さんは青ざめながらおろおろとしていた。

その時、霜谷さんが叫んだ。

霜谷「そのシャーペンと消しゴムは、立花さんの物です！」

全-霜谷「‼︎」

霜谷さん…‼︎

霜谷「早乙女さんと、雪山さんと、私で、立花さんをいじめてました‼︎」

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