２つの糸

姉弟喧嘩 ページ43

ドシーンッ‼︎

彩「いったぁ…」

私は木に軽くぶつけた頭を摩りながらあたりを見回した。

すると、1〜2mほど横に炭治郎が同じく体を木にぶつけていた。

私は着物に付いた砂埃をパッパッと払って立ち上がり、炭治郎に手を伸ばした。

彩「大丈夫、炭治郎？」

炭治郎「痛て…、なんとか…。彩は？」

彩「私も大丈夫。それより、声の音量下げて。すぐ近くに鬼がいる。雰囲気的にはさっきの男の子の鬼と、

　逃げていった女の子の鬼の2人がいるっぽいけど…」

女の子の鬼「ギャァァァアッ！」

えっ、何⁉︎

私たちが思わず食い入るように見ると、男の子の鬼に視線で気付かれた。

男の子の鬼「何見てるの？見せ物じゃないんだけど。」

さっき家族とか言っていたのに、何で殺めようとしているの？

というか姉弟喧嘩という修羅場に乱入しちゃった…

炭治郎「何してるんだ…、仲間じゃないのか⁉︎」

炭治郎、すごい苛ついている。

でも戦っている時に感情的になりすぎるとすぐに隙をつかれるよ。

それに、仲間っていうよりも家族って言った方が逆鱗に触れないんじゃ…

男の子の鬼「仲間？そんな薄っぺらなものと同じにするな。」

やっぱり怒っているじゃん。

私がハラハラしながら2人を見ていると、男の子はさらに言葉を紡いだ。

男の子の鬼「僕達は家族だ。強い絆で結ばれているんだ。それにこれは、僕と姉さんとの問題だよ。

　余計な口出しするなら、刻むから。」

あの人が…、来た→←父鬼

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