２つの糸

十二鬼月 ページ26

彩「桜の呼吸…綻びの情…咲き初め！」

ところが、首を切るには後数ミリ足りなかった。

鬼「おっと、あぶねえな、柱を一匹捕獲して油断していたようだぜ。」

気づかれた…‼︎

鬼は自分の髪を一本抜いた。

鬼「血気術…玩偶分身！」

布の一部が髪に集まり、鬼そっくりの人形を作った。

鬼「これは俺の分身だぁ。俺と同じ能力を持ち、感情も共有できる。

　俺の首を切ってもこれの首も切らねえと俺たちはﾀﾋなねえ。」

鬼がすべて説明してくれたので、私とお姉ちゃんは目で作戦を立てた。

りん［私が元本体を相手するから彩ちゃんはエセを相手して。同時に首を切りましょう！」

彩［はい！］

彩「桜の呼吸…冷仁の情…月桜！」

私は人形の喉に日輪刀を刺した。

初めて使う、半透明な桜色の刀は蛍光灯の光を浴びてキラキラ光っていた。

布に紫色が広がる。

人形「ｸﾞｯ､ﾅﾝﾀﾞｺﾚﾊ…‼︎」

ふっふっふ、お姉ちゃん特製の藤の花の毒！

すごい効果！

動きが少し鈍った。

今度こそ、行ける…‼︎

彩「桜の呼吸…愛染の情…狂い咲き‼︎」

りん「桜の呼吸…綻びの情…咲き初め！」

私とお姉ちゃんは同時に首を切った。

討伐…できた…⁉︎

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