お姉ちゃんの過去2 ページ21
りん「Aはいっつもいっつも口癖のように言っていたんだ。
鬼と人間が仲良くなるのが夢だって。だからさっき彩ちゃんが
鬼と人間が仲良く暮らせる世界を作りたいって言った時、
一瞬彩ちゃんはAの生まれ変わりなんじゃないかって、ちょっと思ったの。
でもありえないよね、Aが亡くなったのは4年前なんだもの。
私の話はこれだけ。」
お姉ちゃんは涙を目にいっぱい溜めて話を括った。
彩「お姉ちゃん…」
りん「今はBがAの夢を受け継いでいるけど、たぶん無理だと思う。
だから彩ちゃんがその夢を受け継いでね。それが、Aと、私の願いだから。」
…はい‼︎
私は壮絶なお姉ちゃんの過去を受け、その上でお姉ちゃんの気持ちを考えて答えた。
_____その時
?「ごめんくださーい。」
門を叩く人がいた。
りん「ちょっと見てくるね。」
お姉ちゃんはそう言って玄関まで走っていった。
私は最後のケーキの一口を口に含むと、お姉ちゃんの後を追いかけた。
壁に寄って身を潜めていると、お姉ちゃんは手招きしてきた。
それに従って近づくと、お姉ちゃんは丁寧に包まれた衣服を私に差し出した。
彩「これは…?」
りん「彩ちゃんの隊服だよ。明日にでもこれに合う羽織りを仕立ててもらいに行こ?」
お姉ちゃんは少し寂しそうに言った。
そういえばお姉ちゃんが隊服を着ている姿は見たことがない。
彩「お姉ちゃんの隊服ってどこにありますか?」
するとお姉ちゃんは目を伏せて言いにくそうに口を開いた。
りん「私の隊服は、この着物だよ。Aのお下がりなの。もらった隊服はBに燃やされてしまって…。」
そんな…‼︎
私は絶句してしまった。
Bさんって、そんなにお姉ちゃんのことをいじめていたの…⁉︎
私はワナワナと口を震わせながら隊服を持ってきてくれた人に言った。
彩「持ってきて下さったのに申し訳ありませんが、私はこの隊服は着ません。
姉と同じ着物を着させていただきます。」
凛とした私の迫力にその場の空気が僅かに固まった。
その後、隊服を持ってきてくれた人は帰っていったが、お姉ちゃんはモヤモヤとした顔で言った。
りん「わざわざ私に合わせなくても良かったのに…。」
彩「いいえ!私はお姉ちゃんとお揃いで十二分に嬉しいです!」
するとお姉ちゃんはにっこりと微笑んだ。
りん「そっか…。」
そして、拳を天に突き上げて言った。
りん「よーし、今日はお祝いでお寿司にしよっか!」
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月坂柚花(プロフ) - Beleさん» ワオ!私もこれゴキブリ使って大丈夫かな〜って思ったけど結局使っちゃったw (2023年2月14日 6時) (レス) id: d344506545 (このIDを非表示/違反報告)
Bele - 月坂柚花さん» 「ゴキブリ」で吹いたWww (2023年2月13日 22時) (レス) id: e42f19255b (このIDを非表示/違反報告)
月坂柚花(プロフ) - yuzukaさん» ありがとう! (2023年2月13日 20時) (レス) id: d344506545 (このIDを非表示/違反報告)
yuzuka - 久しぶり!!お話面白いね (2023年2月13日 14時) (レス) @page50 id: e91cbbbf82 (このIDを非表示/違反報告)
月坂柚花(プロフ) - Beleさん» あはは(^◇^;) (2023年2月12日 12時) (レス) id: d344506545 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月坂柚花 | 作成日時:2022年12月27日 20時