２つの糸 (ページ15)

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東に進んでいると、鬼の気配を感じた。

それも、複雑の。

＿＿＿＿よし。

桜の呼吸…綻の情…咲き初め‼︎

これで周囲の鬼はだいたい首を落とせたと思う。

少なくとも攻撃は当たっているはずだ。

予想だと4体の鬼がまだ残っていると思う。

やがて、周りから3体の鬼が現れた。

3体？

まだもう一体の気配を感じるんだけど…

！

上だ…‼︎

急いで上から飛びかかってきた鬼を避けた。

桜の呼吸…もゆえし情…蕾恋‼︎

今、4体の鬼は地上にいるからこの技で一気に倒した方がいい。

鬼は首を切られ、灰となって砕け散った。

進まないと…‼︎

しばらくして、誰かの悲鳴が聞こえた。

何があったの⁉︎

声の方向に向かうと、さっき見た狐のお面を付けた男の子が木に頭を打って気絶していた。

彩「危ない‼︎」

桜の呼吸…冷仁の情…月桜！

私は今にも男の子に襲いかかりそうな鬼の手に向けて刀を刺した。

ちょうどその時、男の子が目覚めた。

私は鬼の攻撃を防ぎながら男の子に声をかけた。

彩「大丈夫ですか⁉︎」

男の子は急いで刀を持ち直して頷いた。

？「はい！すみません、俺が寝ている間に！」

彩「かまいません、動けますか⁉︎」

？「はい！」

そう言うと、男の子は呼吸を始めた。

ヒュオオオオオ‼︎

？「水の呼吸… 肆の型…撃ち潮！」

男の子は空を飛んで鬼の首に向けて刀を振った。

鬼の攻撃は僅かに男の子の方に向けられたので、私はその場を離れて鬼の手をすべて切った。

彩「お願い‼︎切って‼︎えーっと……、とにかく切って、鬼の首を！」

男の子はまた呼吸を始めた。

？「水の呼吸…壱の型…水面切り！」

男の子の刀はまるで首に吸い寄せられるように真っ直ぐ鬼の首を切った。

彩「切ったんだね！」

私がそう言いながら鬼の方を向くと、鬼はぼろぼろと崩れ落ちながら泣いた。

それを見て、私はさっきまでの気持ちに冷水をかけられたようにシュンッとなった。

この鬼も、人間の頃は家族と幸せに暮らしていたのに、鬼になったせいですべてを失ったんだ…。

私はそっと手を合わせて目を閉じた。

どうか、成仏してくれますように…