さようなら、鬼の皆様

悲しみの連鎖を断ち切る刃 ページ12

伊之助「ぐぁあっ」

伊之助もだめだったか。

みんな、炭治郎のことが大好きだから、切ることなんてできないよね。

私もだった。

その時、見覚えのある着物を着た女の子が私たちの近くにやってきた。

彩「禰󠄀豆子さん⁉︎来ちゃダメ！」

そう、炭治郎の妹の竈門禰󠄀豆子。

もう鬼化は解かれているからここに来たら大変だ。

善逸「禰󠄀豆子ちゃん…、逃げて…」

そうだよ！

禰󠄀豆子「いや！お兄ちゃんが苦しんでるのに放ってなんか置けないよ！」

彩「でも…‼︎」

危険だから！

そう言おうとした瞬間、禰󠄀豆子さんは炭治郎に抱きついた。

禰󠄀豆子「お兄ちゃん、ごめんね…‼︎ずっと私、何もわからなくてごめんなさい。

　 お兄ちゃん一人に、全部背負わせちゃったよね…

　 …どうしていつも頑張っている人ばっかり踏み付けにされるのかなぁ…

　 悔しいよ、お兄ちゃん、負けないで。

　 あともう少しだよ…、鬼になっちゃダメ。

　 帰ろう、ね？家に帰ろう…」

禰󠄀豆子さんが話している間も、炭治郎は禰󠄀豆子さんの肩をずっと噛んでいた。

炭治郎、やめてよ！

禰󠄀豆子さんが泣いているよ‼︎

炭治郎は昔、自分が悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るうって言っていたよね！

自分で悲しみの連鎖を作ってどうするの⁉︎

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