genuine ページ1
この世界に来てからもう半月経っているという衝撃の事実を知ってから、また暫く日にちが過ぎた。
つまり、月は再び欠け始めた…ってことだ。
あれからは特に大きな出来事も、変化も無かった。心休まる穏やかな日が続いた…訳ではなく、元の世界に戻れるきっかけがなくて焦る日々だった。
突然何かが起こるのも心臓に悪いけど、自覚した以上此処に留まり続けるのも、ね。
今日もまたそんな日を過ごすのか、と図書館から借りてきた本を開こうとしたその時
ｺﾝｺﾝｺﾝ
翠「失礼します。亮平様、陛下がお呼びです。」
慎太郎さんが突然俺の部屋を訪れた。そして告げられる用件、しかも陛下からだ。
いくらあんな出来事があったとはいえ、相手は国王。俺は知らないうちに何かやらかしてしまったんじゃないかと不安になった。
慎太郎さんに連れられて陛下の元へと向かうと、廊下の反対側からジェシーさんと王子様がやってきた。どうやら、呼ばれていたのは俺だけではないようだ。
しかも彼の表情を見る限り、どうやら何も知らされていなかったのは俺だけではないらしい。
扉が開かれるとこの世界に来た時と同じ光景…にもう一人いる様子が目に入ってきた。美しい銀髪にドレス、整った顔立ちに溢れ出る輝かしいオーラ…。
後ろ姿だけでも誰なのかすぐに分かった。なんで、なんで俺は忘れていたんだろう。“彼”の…いや、彼女の存在を。
赤「二人とも来たか。紹介しよう、帝国のラウール姫だ。」
白「ラウールです。しばらくの間、こちらに滞在させていただくことになりました。」
振り向いた彼女は思っていた通り本当に美しくて、俺には眩しかった。
黒「蓮です。初めまして、ラウール様。」
［亮平と申します。］
白「よろしくお願いします。」
にっこりと微笑む彼女は、本当に可愛らしい。やっぱり笑顔は“彼”そっくりで、でも女性だから身長は彼よりも小さくて。まだ幼くあどけないから、昔の“彼”を見ているような錯覚に陥った。
そんな事を考えているうちに、どうやら陛下が俺の事を彼女にお伝えしたらしい。再び俺を見る彼女の瞳は決して哀れみなどではなく、本当に悲しんでくれているようだった。
白「私、お友達がいた事なくて…。仲良く、して頂けませんか？」
遠慮がちに聞いてくる彼女。
なんで、どうして。そんな俺の気持ちは届かない。
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Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
