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白「…亮平さん、少しっお話…しても、っよろしいです、か？」
訪れたのは姫様だった。
迎え入れた彼女はまるでしおれてしまった花のようで、真っ赤に泣き腫らした目は何があったのかを鮮明に物語っていた。
白「ｸﾞｽｯ お見苦しいところをお見せしてしまってしみません。」
少し落ち着いたのか、先程まで下にあった彼女の視線は今はまっすぐ俺の目をとらえていた。
白「…分かっていた、はず…なんです。」
再び哀しそうな表情を浮かべた彼女は、ぽつぽつと自分の思いを明かし始めた。
白「殿下に…想い人がいることは、この城に来た時から既に…気付いておりました。それだけ、あの方の想いは周りに隠せていませんでした。…いえ、隠そうとしていなかった、の方がもしかしたら…正しいのかもしれません。」
そこで一度言葉を詰まらせた彼女。それでも涙を飲み込むようにまた口を開いた。
白「この想いが叶わないことくらい、分かっていたんです。それなのに…胸を締め付けられたように、苦しいんです。
もちろん、こんな短期間でその人に勝とうだなんてそれこそ傲慢なんです。…まあ、そう思ったことは一度もありませんが。」
静かで…それでいて力強い言葉。でも、逆に荒ぶることも波立つこともないそれが俺には違和感を感じた。
思いをすぐ言葉にできない俺は何も伝えないまま腕を伸ばして、無理矢理笑おうとする彼女の顔を自分の胸に沈めた。
そんなことをされるのは予想外だったんだろう。最初は戸惑いの色が見えたけど、段々と張り詰めたものが切れたように声を上げて泣き出した。
白「本当に…貴方は優しすぎますよ。」
落ち着いて顔を上げた彼女の顔は、今まで見た中で一番穏やかだった。
でもその頬にまだ涙が残っていることに気が付いたから、ハンカチを取り出して彼女の肌を傷付けないよう優しく拭いていると俺の手に彼女の手が添えられた。
白「貴方も…後悔のない選択を、してくださいませんか？」
その言葉に迷っている気持ちを見透かされたんだろう。
白「振られると分かっていた私だって気持ちをお伝えしたんですよ？」
そんな言葉も後に続けられた。伝える…か。お二人が結ばれるものだと思っていたから考えたこともなかったな。
白「約束、ですよ？」
彼女の顔は最初よりも晴れやかで、俺はその言葉に頷いてしまった。
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Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
