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ab「ごちそうさまでした。」
綺麗にお粥をたいらげた彼。心做しか、先程よりも回復したように見える。それに少し安心した。
「よく休みな。体調管理も仕事の一つだよ。特に阿部の場合は過保護な恋人がいるんだから。」
ab「はは、耳が痛いな。」
お粥を作っている時「そういえば彼は最近仕事が多かった」とふと思い出した。疲れが溜まっていたんだろう。
仕事に行った彼との関係も始まったばかりで、しばらくはその緊張感もあったのかもしれない。
休まないとダメだと言うものの、彼の垂れた眉を見てしまえば叱る気が失せてしまう。
いつか彼の恋人が言っていた“場の雰囲気を和ませる”というのはこういうことを指すのだと思う。
その立場にいることが多いからあいつがどんどん過保護になっているのだと俺は思っているが、真偽は定かではない。
ab「やっぱ舘さんは料理が上手いね。」
「ありがとう。」
褒められるというのは、いくつになってもやはり嬉しいものだ。この歳になれば褒められること自体が減るからかもしれないが。
ab「…って、翔太も言ってたよ。」
そんな呑気なことを考えていた俺の頭の中に、突然飛んできた彼の言葉。正直、全く予想していなかったためかなり混乱している。
ab「舘さんさ、俺たちのこと分かりやすいとか言ってたけど、人のこと言えないからね。…さすがに気付くよ。だって、ただの幼馴染みに向ける視線じゃないもん。」
自分のことにはあんなにも鈍かった彼だが、俺の気持ちには気付いていたらしい。それは、やはり長年ともに仲間として進んできた成果だろう。
ab「舘さんにもそうしてもらったから強制はしないけどさ…後悔しない選択にしなよ。多分、俺以外に言える人いないだろうし。」
言いたいことを言い終わったのか、彼はまた寝ると言って布団にもぐった。
食器を片付けている時、彼がお粥を食べている時の表情がふと頭をよぎった。
何かを思い出しているようだった。まるで…彼がどこか遠くへ行ってしまうような、そんな雰囲気を纏っていた。
あれは一体…？
ﾌﾞｰ ﾌﾞｰ ﾌﾞｰ
突然、ポケットでスマホが震えだした。何事かと思って急いで見てみると電話がかかってきていて、表示された名前に頬が緩んだ。
「もしもし」
その時にはもう、何秒か前に浮かんだ不安の事なんて忘れてしまっていた。
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Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
