泡沫と月と

・ ページ5

今日は雑誌の撮影。今回はペアでの撮影で、俺は佐久間と一緒だった。


とは言え9人の奇数グループ。1人はどうしても余ってしまうから1つは3人組になる。


今回の3人はラウール、康二、目黒だ。シンメ同士を一緒にするとなるとやっぱりこの3人の組み合わせは多い。


年下3人組はやっぱり仲良いしね。…康二は俺と1つしか変わらないけど。


ペアを聞く時に毎回思う「今回も別か。」という気持ち。そりゃそうだ。俺と目黒のペアはUR並に貴重なんだから。


俺じゃあ目黒の隣に並べない。


まるで神様にそう言われているみたい。


そんなの、俺が1番分かってるよ…。


「「めめー！」」

mg「うわっ、ちょ、2人してくっつかないでよ。」


そう考えている中、ラウールと康二が目黒にくっつく所を目にした。


口調は不機嫌そうに聞こえるも、少し緩んだ口元で彼が喜んでいるのが分かる。


目黒は皆に愛されている。それは他の人ももちろんそうだけど。


あの3人は特にスキンシップが激しい。…いや、佐久間もか。


ただその気持ちは恋愛的な意味では無く、メンバー愛というのが1番的を射てるだろう。


楽しそうな3人を見ながら、俺は勝手にジェラシー。付き合ってないし、なんなら気持ちも伝えてないくせにね。


本当、自分勝手だとつくづく思う。


『向井さん、目黒さん、ラウールさん。スタンバイお願いします。』


少し気分が軽くなった様な、より重くなった様な、そんな気分になった。


でもそんな様子に気付くのは、別に目黒だけでは無い。


「「阿部ちゃん。」」

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す