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騎士団のΛ班ね…彼女達が言った名前で分からない程俺は鈍くない。素朴な疑問だけど“海斗”と“海斗”ってどうやって区別してるのかな?


会わないであろう役も俺の記憶から取られているみたいで驚いた。まあ会ったらその時考えよう。


『あ、もう一つ伝え忘れていました。』


先程の侍女が今度は手を止めて俺の前にしゃがんだ。


『今日は殿下がお連れしたい所があるそうです。』


王子が?俺を?どこに連れて行くというのだろうか。まあ、彼女達の話に出てきたどこかだろう。病み上がりに近い俺をそこまで振り回す訳にはいかないだろうし…。


彼女が車椅子を押してくれて、部屋を出た。…俺如きが王子の部屋に入っていいのか?少し不安になったけど、それはきっと俺が決めることじゃないんだろうな。


コンコンコン


扉を叩くと中から「どうぞ」という返事が聞こえた。中に入ると王子は仕事をしていた。顔を上げて俺を見ると手を止めて近付いてきた。


黒「おはようございます。昨晩はよく眠れましたか?」

コクン


首を縦に振ると、ふわっと優しい笑顔で微笑んだ。それが最近の俺に対する目黒の笑顔によく似ていて、胸が締め付けられた。


黒「実は、今日は庭園にお連れしたくて。…お疲れでしたら無理強いはしません。」


正直、王子からのお誘いは嬉しかった。でも俺は一つ気になることがあって…。伝わるかな?


コテン

黒「…あ、仕事ですか?急ぎのものは無いですし、問題ありませんよ。」


首を傾げるだけで俺の言いたい事が伝わった。良かったと思う気持ちの反面、何で分かったんだと不思議に思った。


王子が大丈夫だと言うなら問題は無いだろう。俺は笑顔で首を縦に振った。


それを見た王子が嬉しそうにくしゃっと笑うから、少しドキッとしてしまった。…ただのキャラクターだと分かっていても、俺は絆されている。


黒「支度をするので少しお待ちいただけますか?」


王子は支度を始め、侍女を帰らせてしまった。どうやらまた自分で車椅子を押すつもりらしい。


テキパキと進める王子に犬の耳としっぽが見えた気がした。時々見せる可愛らしい雰囲気も目黒にそっくりだ。


黒「それじゃあ行きましょうか。」


目黒の事が好きなのに、好きなはずなのに…。王子があまりにも優しすぎるから、それに溺れてしまいそう。









そんな自分がいて少し怖い。

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玖唻(プロフ) - まほままさん» コメントありがとうございます!今まで始めるか悩んでいたのですが、2人のラジオに背中を押されました(笑)まほままさんのような温かい言葉がとても嬉しいです!これから頑張っていこうと思うので、よろしくお願いします。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - はじめまして。めめあべが大好きな者です。こちらの作品は処女作なんですね!まだまだめめあべは世間ではマイナーなCPですが、美しい2人ですのでこの作品に期待しています!更新楽しみにお待ちしていますね。 (2020年9月6日 3時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玖黎 | 作成日時:2020年9月6日 0時

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