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城に着くと、王子が呼んだ侍女達に俺は連れてかれた。お風呂に入れてもらって、服も着せてもらった。勿論…ドレス。


まあ一応女の子の役だし。救いだったのは、淡い緑色のドレスであまり派手じゃなかったこと。これなら着ていても…いや出来る事なら着たくはないけどさ。


俺のドレス姿を見ると、侍女の方達は


『お似合いです〜!』


と目をキラキラ輝かせながら言っていた。この光景見た事あるな…あれだ、若い女の子達が行くようなお店の店員さんみたいな感じ。


まあ褒められる事に対して悪い気はしないから、素直に喜ぼう。俺はお礼に意味も込めて、笑顔でお辞儀をした。


着替え終わった時、いつの間にか車椅子が準備されていた。この世界にある事は驚いたけど、魔法使いの本だしと妙に納得した。


支度が終わると侍女の方に部屋の外へ連れ出された。多分、王子の所に行くんだとは思う。俺は王子に拾われて来たからね。


予想通り王子に会うと、一瞬目を丸くさせたもののその後すぐにくしゃっと笑って


黒「お綺麗ですね。」


と言った。この人が目黒じゃなくても、例えお世辞の言葉だったとしても、取り敢えず喜ぶしかない。ここで素直にならないと俺は、本当に自分を見失ってしまいそうだから。


ふと顔を上げると王子がすぐそばまで来ていた。急に手が伸びてきたから驚いて目を閉じてしまった。頭を触られた感覚があって、恐る恐る目を開けると頭に何かがついていた。


侍女の方が手鏡を渡してくださったから見てみると、そこには白くて小さな花がモチーフの髪飾り…ではなく本物の花。


驚いて王子の顔を見ると、くすっと笑われ


黒「先程、庭園から摘んできました。安心して下さい、そこまで大したものではありませんから。」


と言われた。それもそれでより大切にしなきゃいけない気がしてくるんだけどな、と心の中で苦笑いをした。


黒「…これから父と母に会って頂けますか?危険な存在ではないと、知らせないといけないので。」


こんなに他人行儀で堅く話しかけてくる目黒は初めてだ。…正確に言うと目黒の姿で、だけど。加入した時だって、硬くなっていただけだった。


そんな事を考えていたら、ふとこの片想いの始まりを思い出した。…一目惚れ、だったなあ。


昔を思い出して、恋が始まった時に感じる特有の嬉しさと虚しさが、急に俺を襲ってきた。

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玖唻(プロフ) - まほままさん» コメントありがとうございます!今まで始めるか悩んでいたのですが、2人のラジオに背中を押されました(笑)まほままさんのような温かい言葉がとても嬉しいです!これから頑張っていこうと思うので、よろしくお願いします。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - はじめまして。めめあべが大好きな者です。こちらの作品は処女作なんですね!まだまだめめあべは世間ではマイナーなCPですが、美しい2人ですのでこの作品に期待しています!更新楽しみにお待ちしていますね。 (2020年9月6日 3時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玖黎 | 作成日時:2020年9月6日 0時

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