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店主さんのメッセージを聞いた時、怒りなんて1ミリも湧いてこなかった。ただ、これからどうすればいいのか頭を抱えただけだ。
だって店主さんが良い人なのは、あの短時間で分かった事だから。今更疑ったりなんてしない。
そんなこんなで、近くにあった岩に腰を下ろして考えていると
?「りょーへーい!」
突然俺を呼ぶ声が聞こえた。振り向いた先に居たのは、ふわふわの金髪がとても綺麗なあいつ。
「さ…く、ま?」
佐久間は、俺と同じ様な格好をしていた。なんでここに佐久間が…そう思っていたがその後の彼の一言で先程言われたことを思い出した。
桃「サクマ?亮平一体誰の話してるの?亮平の帰りが遅くてお父様達が騒ぐから、大介お姉ちゃんが迎えに来てやったのよ?」
ああ、なるほど。《あなたの記憶を元に》…ね。つまり、今俺の目の前にいる人物は佐久間であって佐久間じゃない。
口調も性格も全く別人だ。同じなのは体型等の外見要素と声。女性らしい格好なのに、少しガタイがいい。
女性の口調だけど俺の知ってる佐久間の声。
俺からしたら違和感しか無いけど、これからこう言うのがどんどん出てくるんだろう。一々驚いてなんてられない、慣れるしかないんだ。
始まったからには頑張らなきゃ。ENDに持っていけばいいんだよね?そんな事を頭の中でぐるぐる考えていた。
俺が黙っていたことに焦れったくなったんだろう。彼…いや、彼女は俺の頬を掴んで目を合わせた。
桃「もう、ぼーっとしないで!取り敢えず帰るわよ。お父様もお母様も、他のお姉ちゃん達も騒がし過ぎて家臣達が困ってたんだから。亮平が1番分かってるでしょ?あの人達の過保護と心配性は。
だからほら、帰りましょ!」
いまいち、佐久間と同じ声で言われると笑ってしまいそうになるけど何とか耐えた。
ただ1つ言えるのは、知らない世界に放り込まれて不安だったはずの気持ちが佐久間の顔を見るだけでスっと消えて無くなった。
やっぱり歳上なんだな、と改めて思った。ここでの関係性も、俺の姉に当たる存在みたいだし。話し方的にも、かなり仲がいい方なんだろうな。
そういえば、両親の“役”と姉達の“役”は一体誰なんだろうか。それに、この人は何番目の設定なんだろう。
もう、この時点で俺は気付いていた。俺が完結させる物語の題材は
『人魚姫』だ。
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玖唻(プロフ) - まほままさん» コメントありがとうございます!今まで始めるか悩んでいたのですが、2人のラジオに背中を押されました(笑)まほままさんのような温かい言葉がとても嬉しいです!これから頑張っていこうと思うので、よろしくお願いします。 (2020年9月6日 15時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - はじめまして。めめあべが大好きな者です。こちらの作品は処女作なんですね!まだまだめめあべは世間ではマイナーなCPですが、美しい2人ですのでこの作品に期待しています!更新楽しみにお待ちしていますね。 (2020年9月6日 3時) (レス) id: 5fd2e2f33b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:玖黎 | 作成日時:2020年9月6日 0時