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「スターーート‼」
ミッドナイト先生の合図で一斉に飛び出す。
「スタートゲートが狭い…成程、」
最初の“ふるい”か。
ニヤリと笑ったところで前方から氷が。
「チッ…クソ炎野郎の息子かよ…‼」
こちとら楽しく行こうと思ってたのに邪魔すんなよ‼
ビュウウウウウ
氷を避けつつ四則の風を使って空中へ避難した。
「甘いわ轟さん‼」
「そう上手く行かせねぇよ、半分野郎‼」
ほら、やっぱクソ炎野郎の息子じゃん。
そのまま足から炎を出して移動する。
「おー、なんかヒーローみたいだ‼」
こんな感じだったら子供受けいいかも。
プロヒーローになったら子供受け狙いでいこうかな←
なんて考えながらのんきに空を飛んでいく。
「さぁいきなり障害物だ‼まずは手始め…ロボ・インフェルノ‼」
おー。あれは入試の時の0P敵じゃん‼
おひさ〜←
まぁ空飛んでる私には関係ないけど‼
せっかく久しぶりに再会したんだし、周りの目もあるし、殺ろっと‼
そんな事を考えながら手から雷を出そうとするがちょっと遅かったらしい。
地上のトップを走っていたクソ炎野郎の息子が先に凍らした。
そしてボソッと呟いたことを私は聞き逃さなかった。
「…どうせならもっとすげぇもん用意してもらいてぇもんだな。クソ親父が見てるんだから。」
“クソ親父が見てるんだから”…?!
それってテレビでって事?
有り得るけどアイツはNO.2だ。絶対来てる…‼
「クッソ…‼」
意味を理解して唇を噛みながら、足から出る炎の火力を上げてスピードアップした。
「アイツが止めたぞ‼あの隙間だ!通れる‼」
「やめとけ。不安定な体制の時に凍らせたから…倒れるぞ」
そんな会話(?)が聞こえたがお構いなしに進んでいく。
アイツは私の事を覚えてるだろうか。
あの事件の事を覚えてるだろうか。
自らの手で焼き殺した兄の事を覚えてるだろうか。
見ただけで吐きそうになるのはクソマイトだけでアイツは別だ。
クソマイトよりも恨んでいる。
一発ぶん殴りたいし、なんなら殺してしまいたい。
アイツは…守る為に使うべきその個性で人を殺したのだから…‼
この事実を世間に広めようか。
そうしたらアイツは立ち位置を失う。
そうしよう。まずこの体育祭で1位を取って表彰台で言ってやろう。
アイツは…エンデヴァーは、私の兄を殺したって。
私はそう決意して、もう一度火力を上げた。
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作者名：十二支 | 作成日時：2022年4月9日 22時
