暖かい冬 中村瞬 ページ1
12月24日クリスマスイブの夜。
貴方に逢いたくなって家を飛び出した。
「暖かい冬」
「今日は神保町で3ステ、からの〜トークライブやな」
ベランダで煙草を吸う貴方は、声を枯らしながら話しかける。
「じゃあ今日は帰り遅いんやね、頑張ってね」
忙しい彼を今引き止める事なんか出来ずに。
美味しそうなSPAMの匂いと煙草の匂いに貴方の匂い。
寒そうに戻ってくる貴方を見送る。
「マフラーしてって！寒いから、SPAMも忘れてる！」
忘れ物が多い貴方は、笑いながら荷物を受け取る。
「ありがとう、行ってくる！」
「行ってらっしゃい！」
空っぽになった部屋を片付ける。
机の上のイルミネーションのちらしには目もくれずに。
録画を漁って見てると時刻は17時過ぎ。
辺りは暗がり、遠くでは眩しそうに街が光っている。
何故か無性に貴方に逢いたくなった。
「今から行けば、」
気づいた頃には家を飛び出していた。
もちろんマフラーもしっかり巻いて。
滅多に乗らなくなった電車に乗り込んで、貴方のいる場所へ向かう。
何故だろう。
いつも帰りが遅くてもちゃんと待てるのに。
明日には貴方はまた私の隣にいるのに。
何故だろう。
イルミネーションにも間に合うかもしれない。
劇場の裏でマフラーに顔をうずくめて、冷たくなった手を暖める。
「ありがとうな！じゃあ！」
遠くから貴方の声が聞こえて、辺りが明るく見えた。
「しゅんちゃん...！」
数秒。
お揃いのマフラーをした貴方に飛びつく。
さっきまで室内にいたから暖かくて、心地よい。
「え、Aちゃん！？来てたん..？」
「寂しかった...寂しかったんよ」
泣きじゃくる私を優しく抱きしめ返してくれる。
「ほんまにごめん！もう大丈夫やで、俺おるからな？」
「しゅんちゃん温いからずるい...私ずっと寒かったんやで！」
寂しさも吹っ飛んで、ちょっとちょっかいをかける。
掠れた声でカラカラと笑う貴方に我儘が出る。
「イルミネーション...行きたかってん。ほんまは」
「え！俺も行きたかったって言ってたやつやんな？丸の内の！」
「けどしゅんちゃんがおるからいい。」
「なんやの、この可愛い！」
─────────────────────────
家に帰って温い布団に包まる2人。
「しゅんちゃん...大好き」
見なくてもニヤついている事なんかわかってる。
「今日寝かせんってやつしてまうかも、」
幸せと暖かさに包まれながら、深い愛情に溺れていった。
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とっとこ(プロフ) - 初コメ失礼します。可能であれば、ロコディ堂前さんお願いしたいです！もっと欲を言うなら芸人カップルで周りには秘密にしてる設定希望です…！ (2023年2月2日 17時) (
レス) id: 5e8202ec37 (このIDを非表示/違反報告)
ちょここ(プロフ) - すみません、初コメ失礼します。もし迷惑でなければ、京極さんのお話を書いていただきたいです。 (2022年12月26日 20時) (レス) @page2 id: 9cbd20542c (このIDを非表示/違反報告)
ミサキ(プロフ) - リクをお願いします！タイムマシーン3号の山本さんで、タイムさんのYouTubeに自分(自分も芸人で！)が参戦という話をお願いしたいです！ (2022年12月22日 7時) (レス) id: 1fece32f94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sui | 作成日時：2022年12月5日 20時
