太宰治の妹ですが何か？《弐》

桜の花弁が52枚 ページ2

［side 中島敦］


中島｢済みません、さっきは…｣

与謝野｢気にするこたァないよ。
……ところでさ、アンタ、マフィアに脚を喰い千切られたそうじゃないか。｣


そう言われて思い出すのは羅生門と芥川。


中島｢……ああ｣

あんなの思い出したくもない…


与謝野｢ふぅん、綺麗なモンだねェ｣

中島｢ぎゃいっ！？｣


え、何？何で僕脚触られてんの？


与謝野｢(……癒合痕も瘢痕もない。再生というより復元だ。『虎』はこれを一瞬で？)｣



与謝野さんどうしたんだろう？


中島｢あ、あの…何か問題でも？｣

与謝野｢……別に。妾(アタシ)が治療出来なくて残念だ、って話さ。｣


脚を下げて与謝野さんは緊張な面持ちで
僕に言った。


与謝野｢……でも、次はないよ。｣

中島｢え？｣

与謝野｢前回は探偵社(うち)に正面から突っ込ンで自滅したけど元来マフィアってのは奇襲夜討ちが本分だ。夜道にゃ気ィつけな。

何時どこで襲ってくるか知れないよ。｣


そうだ…

奴等(マフィア)の狙いは僕。

自分の身は自分で守らないと……


……あ、じゃあ……



中島｢凛桜さんは、大丈夫でしょうか…？｣

与謝野｢え？｣

中島｢ほ、ほら凛桜さんも僕と同じでマフィアに
狙われてるし…｣

与謝野｢あの娘の場合はアンタとはちょっと違うからねェ…。ま、探偵社でもぶっちぎり身体能力が高いンだ。大丈夫だろう。｣

中島｢そうですか…｣


だとしたら凛桜さん…今どこに居るんだろう…？

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