師範、落ち着いてください ページ10
「………そう」
帰りが遅くなった理由を問われて話したところ、師範が見たことないくらい殺気を纏いながら一言発する。
「……すみません。私のせいで……」
「君が悪いわけじゃないよ、真希ちゃん。俺が嫌いなのは使い捨てにする呪術師であって、君のような良い子には好感が持てるからね。気にしないで」
「はい…」
「竈門。一応、任務については教えておいた。あとはお前らで話してくれ。」
獪岳が険しい顔で師範に言う。師範はそれを聞いて顔を顰めたが、仕方ない。仕事ですからね。
「凛桜……」
「……大丈夫ですよ、師範。
こういう時に全く動かない表情筋が少し憎い。弟の優雅も少し強ばってはいるが、真希ちゃんのような物分りのいい呪術師も居るということを知ったからかしら?でも、少し当たりが強いから、まだ完全には信用してませんね。
「優雅」
「……なぁに?おねえちゃん」
「何かされたらすぐに言いなさい。姉さんがぶん殴ってやりますからね」
「うん!わかった!」
「……ねぇ、獪岳。」
「なんだ」
「俺の継子たち可愛くない?」
「……そうだな(その代わり殺意高いけど)」
「(……まさか、こんな所に居るなんて、思ってもみなかったな……)」
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作者名:三ノ宮凛桜 | 作成日時:2021年10月3日 14時