ちょっとだけ無理。 (ページ5)

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流星side

「あ～喉枯れたぁ。明日やばいやつや。」

望「ほんま、お前のせいやで。」

「なんでやねん。」

望「お前がデュエット入れまくったからや。」

「いや、望が勝手に男性パートハモってきたんやん。」

3人でカラオケ行って、楽しそうに一緒に歌う望とAをずっと見てた俺。

望はAだけに冷めてる態度やけど、顔はすごい幸せそうで、Aは恋する乙女の顔して望のことずっと見てて

今日は特に、俺が入る隙なんて１ミリも無かった。

強いて言うなら間接キッスしたくらい？

それもAが勝手に俺のジュース飲んだだけであっち1ミリも意識してへんかったしな。

.

ほんでその帰り道。

望「あっ、俺さちょっと寄ってくとこあるから。」

「そうなん？どこ行くん？」

望「今日朝ワックス切れたからそこまで買いにく。」

「ふーん、じゃあ流星帰ろっ！

後ろ乗せてや！」

え？やったやった。

なんでかって？

だってAと2人で帰る時は大体俺の自転車の後ろに乗せてAの家まで送るっていう謎の彼氏感を味わえるから。

これがまた最高やねん。

流「おん。後ろ。」

「よいっしょ。出発進行～！」

流「笑笑」

「望ばいばーいっ！」

毎回思うけどやばい。

後ろから手まわしてきて俺のお腹をぎゅって。

鼻血でそう。笑

「流星今年チョコ何個貰ったんー？」

流「え？数えてへん。」

なるべく一緒におりたいやん？だからちょっと体力的にきついけどゆっくりペダルを踏む。

「やっぱ数え切れんくらい貰ったんや？

モテモテやなぁ。

てか流星、好きな子おるんー？」

後ろから食い気味に聞いてきた。

流「おるで？」

「え？誰！誰！？」

Aやでって言ってまおかな。

流「……。」

「……。」

そういう雰囲気なってる？？
なってるよな！

よし。覚悟を決めて、

流「Aやで。」

そう言ったのに、

「……。」

後ろから返事は無かった…。

あ～何言ってんねんや自分。

流「ごめんな、望が好きやのに困るやんな。」

「すぅ…すぅ…」

あれ？

なんかおかしいと思って後ろを見ると、すやすや眠るA。

なんでやねん。

ｶｼｬｯ

初めて見る可愛い寝顔記念に1枚、写真を撮っておいた。

俺の気持ちなんか、届きもせぇへんねんな。笑