溢れる笑顔の分強くなれ。 (ページ36)

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桐山side

小「桐山先生！はぁ、はぁ、はぁ、」

普通に仕事してると小瀧がすごい勢いで息きらして走ってきた。

こいつ、昔の俺にそっくり。

小「流星くんが、藤井流星がどこ探してもいないんです！はぁっ、」

まっすぐに、まっすぐに患者と向き合う。

何も知らん人から見たら愛想良くて優しくて、新人の割には良い評判のある先生。

俺も昔はそうやった。

桐「そんなん、自分で探せ。」

でも俺はあの日がきっかけで自分がしんどくなった。

だからあの日から患者のために仕事で笑顔を見せへんようにした。

そしたら患者からも、同僚からも、みんなから嫌われて、あの先生怖いから担当外してくれ、なんて何回も言われすぎて慣れた。

でも、俺は患者のために笑ってないだけ、これから誰になに言われても笑う気は一切ない。

小「そんな…ほんまにどこにいるんか知らないんですか？？」

藤井流星やろ、あいつのおるとこなんかあそこしかないやん。

分かったけど言わんことにした。

流星があそこに行く時は1人になりたい時、

そう前に流星が言ってたからあえて流星のこと思って言ってやらんかった。

桐「知るわけないやろ。」

小「桐山先生に聞いた僕が間違いでした。」

それだけ吐き捨てるように俺に一言置いてまた走っていった。

あいつなんか嫌いや。昔の自身に満ち溢れた自分思い出す。