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「君、名前は？」
ふと、少年に名前を聞けば小さく頭を動かし口を開く
「な、い」
「そっか。名字は？」
名字は？と聞き、耳を傾けて少し待っていればもう一度口を開く
が、やはり名字もないと返ってくる
そんな少年に少し笑いながらないか、と返せばごめんなさい、と言われる
でも名前が無いと少々不便なため少年の方に顔を向け、じゃあ名前つけようか、と聞く
少年は少しだけ目を輝かせ、つけて、くれるんですか、と答える
その問いに頷けば首に回っている腕に力が入る
「そうだなぁ」
ふと、上を見る
そうかぁ、今日は満月だったんだ
「……、カゲツ、とかどうかな」
「＿＿＿＿かげ、つ」
少年はその名前を復唱し、硬直する
気に入らなかったのだろうか、あんまり好きじゃなかったか、そう考えたけれど、どちらも違ったようだ
少年の腕にもっと力が加わり少年が私の肩に顔を埋める
次第に肩が濡れ、鼻をすする音が聞こえる
泣いてるのか
「……っ、ぼくの、なまぇ、っ、…」
「…気に入った？」
「ぅん…っ、うん…！」
少年、カゲツの涙が私の肩にこぼれ落ちる
そしてカゲツはありがとう、ありがとう、と沢山の感謝を伝えてくる
その様子に微笑みを浮かべ静かに歩き出す
少しすれば涙も収まってきたようでもう一度、ぎゅ、と腕に力が加わる
「ありがとう…ござぃます、…え、っと…」
「あぁ、私の名前か、ごめんごめん、忘れてた」
完全に頭から消えていたことを誤魔化し改めて、叢雲Aだよ、よろしくね、と言いながら家の敷地に入る
魔法で幻覚の壁を作り出しているからか、驚いたような顔をして私にくっつく
そして少し慌てながら私の名前を復唱する
「むらくも、なまえ、…」
「うん、名前で呼んでね」
「なまえ、さん…？」
疑問符のついている呼び方に、はぁい？と笑いながら答えれば少し躊躇しながら口を開く
「ぼくも、むら、くも…？」
ビックリして少し間を置いてしまったが、うん、カゲツも叢雲だよ、と頷く
そうすればカゲツの口角が不自然に上がる笑うことに慣れていないんだろうな、と少し心を痛めながらカゲツを背中から下ろし、目の前にある木に手をかざす
「カゲツ」
「は、い…」
「よく見ておきなさい」
カゲツの方に振り向き、笑顔で伝える
＿＿＿＿＿＿＿
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えびふらい(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます！🙏💕解釈一致！？！よかったです…😭💕お気遣いありがとうございます❗️頑張ります✊💓 (11月19日 10時) (
レス) id: 6ccacdffd6 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 初コメ失礼します！解釈一致過ぎてやべぇ…ってなりましたw hsrbてぇてぇ…更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (11月14日 20時) (レス) id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
えびふらい(プロフ) - さくらさん» わぁー！ありがとうございます！🙏💕助けちゃってますか…！？良かったです🫣💗優しい言葉嬉しいです！😭💓これからも頑張ります！！✊❤️🔥 (11月9日 16時) (レス) id: 6ccacdffd6 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 推したちのかわいくかっこよくおもしろい反応を書いていただいて日々助かってます❕💗いつも更新を心待ちにしてます❗作者さまのペースでこれからも頑張ってください❕❕😘💕 (11月5日 18時) (レス) @page37 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
えびふらい(プロフ) - まにるさん» ありがとうございます！🙏💕そう言ってくださって嬉しいです😭💓もっと楽しめるように頑張ります✊❤️🔥 (11月2日 11時) (レス) @page33 id: 6ccacdffd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えびふらい | 作成日時：2023年9月17日 16時
