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兄妹 "宇髄天元" ページ3

「なあ、さっきの男誰。」

「え、兄さん覚えてないの。八市一族だよ。ほら、この前協定結んだ一族。」

「んなの知らねぇよ。親父が決めた事だろ。俺が聞いてんのはさっきの男だよ。」

「…?だから、八市一族…っ!?!」

「…お前、あの男とできてんのか。」

ぞわり、と冷たい声と、突き刺すような殺気。
反射的にその殺気から逃れようとしても、ガッチリと肩を掴まれ、床に押し倒されている状態でビクともしない。
まずい。これはまずい。気を抜いたら殺される。

「う、ぅ…っ、兄さ、ん、離、して、」

スっ、と兄さんの目が細められる。
瞬間、首に手が掛けられ圧迫される。
ぐっ、う"っ、と汚い音が漏れるが兄さんは圧迫をやめない。

「答えろ、できてんのか。」

ダメだ。こうなったら兄さんは聞かない。
涙目で嗚咽が混じりながらもなんとか答える。

「でぎて、な、いっ…。」

ふっ、と手が緩められる。
なんとか充分に息ができるようになり、急いで息を吸う。

「…ほんとかよ。見せろ。」

「えっ…!?兄さっ、やだっ!やめてよ!!!」


言うが早いか、着物を乱暴に脱がせに掛かる兄。
どうして、なんで、わからなくなり体が硬直してしまった。

「…やっぱり、嘘じゃねぇか。」

胸まで露出したところで、赤い痕が見えた。

バレてしまった。

どうすればいいのか、なんて言えばいいのか、わからなくて、恥ずかしくて、ただ兄さんに申し訳なくて、涙がとめどなく溢れてしまう。

だが目の前の兄は気にする訳もなく、冷淡な瞳を向ける。
体についた痕に向けて。

「ごっ、ごめん、なさ、私、」

「…お前も、俺を置いていくのか。」

「…えぅ…?」

「ダメだ…、絶対にダメだ。離れるな!!俺から!!離れるな!!」

いきなり叫び出した兄さんはもう私の知ってる兄さんではなかった。
目を見開き、私に掴みかかって揺らす兄さんは、違かった。

「なあ…!!どうしたらお前は俺と居る?あいつと同じ事をすればいいのか?」

「兄さ、ん、なに、言って」

「なあ!答えろよ!!お前は俺の妹で、唯一の!妹だ!!」

渡してたまるか。



それからは酷かった。
痛くて、泣いても、兄さんは見向きもしなかった。
怖かった。恐ろしかった。

全て終わった後に、兄さんは泣いていた。
私を抱きながら泣いていた。
子供みたいに泣いていた。どうすればいいのかわからなくて、取り敢えず頭を撫でた。

「愛してるからな…A」





その声音は、女に対する声音だった。

甘いの食べたい。"時透無一郎" ☆リクエスト→←前世 "猗窩座" ☆鬼滅学園 ☆猗窩座と同級生



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ヒバナ(プロフ) - なっちゃんさん» そして書く側にとっては読者の皆さんに楽しんで貰おうと試行錯誤して頑張っています。そうやって頑張った小説を馬鹿にされないために新人さんが保険をかける気持ちは分かりますよ。保険をかけるためではないとしても別に書いていいと私は考えます。長文失礼しました。 (2020年1月12日 7時) (レス) id: 4ed4c826df (このIDを非表示/違反報告)
ヒバナ(プロフ) - なっちゃんさん» お言葉ですが、 保険をかけて何が悪いんですか???人の自由じゃないですか。そりゃ新人の方が小説書く時は誰だって緊張します。私も、このサイトで小説をかく友達も、ここで出来た友達も、みんな初めての小説には書いてることが殆どです。 (2020年1月12日 7時) (レス) id: 4ed4c826df (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - 中三とかいちいち書かなくていいのでは?駄作とか言われた時の保険をかけているようにしか見えないです (2019年7月30日 0時) (レス) id: 0921f7dcff (このIDを非表示/違反報告)
999 - 美桜さん» コメ欄荒し乙ww (2019年6月29日 7時) (レス) id: c32a74f44b (このIDを非表示/違反報告)
砂川猫(プロフ) - あああ最高です〜 玄弥くんごちそうさまでした( ≧∀≦) (2019年6月26日 23時) (レス) id: b4c2aa6995 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キララ | 作成日時:2018年8月17日 9時

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