[鬼滅の刃] 愛する者、愛される者。 [短編集]

確証のない信用 "柱" *リクエスト ページ13

暑かった。

とにかく暑くて、任務どころの話ではなかった。

でも私は柱になりたてだから、頑張った。

まだ皆さんの信用を得ていないので、ここが踏ん張りどころなのだ！！

と、自分を鼓舞して今日も任務を無事遂行したのだが、如何せん日が落ちてから夜明けまでぶっ通しで鬼を斬り回っていたので流石に疲れた……

座り込み、考えにふける。
夜もそろそろ明けるので、野宿中に鬼に襲われる心配も無さそうだ。もう野宿でもいいや……。

そう思いながら寝やすそうな所を探そうと思い、立ち上がった。








筈だった。



(……？)


ググッ…と脚に力を込めるが、全く立てない。
そればかりか、身体が異常に重い。
何だ？血鬼術か？知らない内にかかってしまっていたのか……？

だが、それなら何故かかった瞬間に発動しなかった？

今回の鬼共は時間差で発動できるくらい器用そうでは無かった。
正直弱い。雑魚鬼の類だ。

さてどうしたもんかとまた考える。


「あら？Aちゃんじゃない！」

「ギィェアアアア！！！！」

自分でも驚くくらいの酷く汚い叫び声が聞こえた。自分の声だと気付くのにそう長くは掛から無かった。

「わあ〜！大きい声！ごめんね、びっくりさせちゃった？」

「い、いえ……。こちらこそ汚い叫び声を聞かせてしまい申し訳ありません…」

実は心臓が口からまろびでるところだったとか、言えない。

「もしかして任務帰り？私もなのー！良かったら私の家へ寄っていかない？今から帰るの！」

「え、いいんですか！！喜んで！！」


人は疲れると真面な思考ご出来ないと言うが、その通りだと思う。
柱の家にお邪魔するなんて、そもそも柱が滅多に家に帰れない事ぐらい分かってた筈なんだ。

ころりと、手の中へ。

私は転がった。

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