君らの幸せを願うなら。【Satomi】【Colon】

幸せを願うなら。8 ページ12

・




Nanamori side


学校ってあっという間だな。


すぐに終わっちゃう。


『あっ…』


そう言葉をこぼした人はAだった。


「どうしたの？」


『な、なーくん？！』


「あれ？気づかなかった？」


『全く』


「それは酷いな‪w」


Aが言葉をこぼした理由。


目の前にいたのは華羅ところん。


…なるほど。


「A一緒に帰らない？」


『お言葉に甘えて！』


やっぱりね。


華羅誰にも相手されないからね。


まぁ,仕方ないよね。


あんな酷いことしたら,そりゃ喋りたくないよな。


ころんも無理してる顔してる。


性格,やっぱり優しいんだな。


俺も最低限しか喋んないもん。


「ねぇ」


『ん？』


「華羅好き？」


『無理』


「やっぱり」


『なーくんは？』


「俺も」


『まぁ,ざまぁみろとは思うんだよね』


Aもそうやって思うんだ。


「それもわかる」


『仲間がいた‪w』


他愛のない話をしながらAを送る。


『じゃね,ありがとう』


「いえいえ」


『空気読んでくれたんだよね,なーくんありがとうね』


そう言って俺に微笑む。


ﾄﾞｸﾝ


心臓の音が早くなる。


この感情久しぶりだ。


…叶わない


また叶わない恋をするなんてね。


失恋確定なのに。




・

幸せを願うなら。9→←幸せを願うなら。7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す