恋は始まる前から終わっていた【合作】【すとぷり】 (ページ12)

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8話（千颯）ページ12

Aside

＂別れよう＂

君が萌ちゃんにそう伝えているのを聞いてしまった。

ころんが萌ちゃんに好意がないって聞いて、ホッとした。

でもこんな最低な自分を見て欲しくなくて。

名前を呼ばれているけど、無視して逃げた。

・

屋上。

ここは、私が一番落ち着く場所。

あまり人もいなくて、1人で来るには優れている。

1人で体操座りをして空を眺めていると、ドアの開閉音が聞こえる。

？「こんなところにいたんだ。」

この声は___

『萌ちゃん…』

萌ちゃんは、私に近づいてくる。

萌「振られちゃった…。ずっと好きだったのになぁ。」

『…』

『でもころんは萌ちゃんと過ごしt___』

萌「うるさい！」

え？

萌「あんたのそうゆうとこ大っ嫌い！いつもいい子ぶって！」

萌「幼馴染だから⁈青井君に好かれてるのは！いいわよね⁈私がどれだけ、青井君を想ったかも知らずに！」

『そんなつもりじゃ___』

萌「うるさい！あんたなんかいなければいいのよ！」

そう言って私をフェンスの前に立たせる。

萌「さよなら。」

『！』

この子、私を突き落とそうとしている。

萌ちゃんが、手を胸の前に出したとき。

？「何やってんだ！」

と、屋上のドアが開き、誰かが叫ぶ。

勿論ころん…じゃなく、さとみ。

萌「桃…山君…」

さ「最低だなお前！振られたからってAに当たるんじゃねーよ！」

萌「ご、ごめんなさい…」

さ「大丈夫？A。」

『うん…』

私の様子を察したのか、

さ「ころん…教室にいたよ。」

と言うさとみ。

さ「自分の気持ちをぶつけてこいよ。」

ニコッと笑う。

『うん！』

屋上から出て、一目散に教室へ走った。

・

さとみside

さて。

さ「君、なんでAを落とそうとしたの？」

萌「邪魔だったから…！でも桃山君も…！」

河原の目には涙がたまっている。

さ「…もういいんだ。ずっと前から失恋してた。」

俺の頬にも一筋の涙が伝う。

俺も前からAの事が好きだった。

だけど、気付いた時には、2人は両想い。

さ「俺が好きだったのは、ころんの事が大好きなAだったから…」

河原からは時々相槌が聞こえる。

萌「辛いよね。私もそうだったら…」

桃山さとみ 14歳。

初めて失恋をしました_____