恋は始まる前から終わっていた【合作】【Stpr】 2

81話（千颯） ページ38

Aside


・


あのあと、しっかり授業に遅れた私は、先生にこってり叱られた。


先生からの長い説教が終わり、自分の席に着くと、隣の席の、萌が話しかけてきた。


「どうしたの？」


え、それってどうゆう意味？


普段真面目な私が授業に遅れるのが珍しいのか、さっき言われたるぅとくんの言葉に驚いて、落ち着いてないからか。


「真面目……」


「むむむ…」と考え込んでいる萌。すると彼女は、「あっ！」と声を上げる。


「辞書ひいていい？」


『失礼だな！？』


真面目って意味知らないの？！


「違う。君は不真面目」


『うるせえ。いいんだよ』


そう萌にはくと、「自分で真面目って言う人は真面目じゃない…」と呟いていたが、放っておくことにした。


・


話ってなんだろうな〜。雑談とか？？ゲームもしたいな〜。もしかして、告白…？！


不意に、昼休みに見たるぅとくんの赤面を思い出して、少しだけ、顔が赤くなってしまった。


そりゃ、彼氏がいるって断っても、誰かに告白されたら、ドキドキするじゃん？！


首をブンブン、と横に振っていたら、突然誰かの視線を感じた。


私は辺りを見渡すけど、クラスメイトの大体はダルそうに授業を聞いていた。


お昼終わってからの授業は辛いよ。眠気が襲ってくるのさ…


私は暇だったから、首をぐりんぐりん回していたら、不意に視界に入ってきたのは、ころんと、その周りの女の子。


「ころんくんって〜、付き合ってる子いるの？」


そっちの方に耳を傾けていたら、会話が聞こえてきた。


ころんは暫く考えたあと、首を横に振った。


「いないよ」


その言葉を聞いた途端、私は勢い良く立ち上がった。


『は？！』


クラスメイトの視線がこっちに集まる。


「望月、どうした？この問題を解きたいのか？」


教卓に立っている先生にそう言われる。


『は？！ふざけんなぁぁぁ！』


ころんに向けた怒りと、先生に向けた怒りを思い切り叫ぶ。


「A、座りな」


萌に優しく言われたので、私は、ガタン、と大きな音を立てて座った。


「望月さんって、男子っぽいよね」


ころんと仲良さげに話していた女の子にそう言われて、ドキッとする。


「ころんくんは、もっと女子っぽい人が好きだよね？」


「まぁね」


ころんの言葉に重くショックを受ける。


なんで？私、彼女だよね。幼なじみだよね。


もう、気持ちがぐしゃぐしゃ。


これなら、るぅとくんと付き合った方が楽なんじゃ__

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