恋は始まる前から終わっていた【合作】【Stpr】 2

72話（千颯） ページ28

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「Aーー？ころんくーん？起きなさーい！」


『……』


母の声がして、無言で目を開ける。 そして、壁にかかっている壁掛け時計を見る。


時計は7時を指していた。


『……』


5秒経過。またの名を、発狂寸前5秒前。



『うわぁぁぁぁぁぁぁぁ！』



え、待って！宿題やってない！嘘、まじか！それと、普通に遅刻する時間だぞ⁈


部屋にある鏡で自分の髪を確認する。よし、今日は寝ぐせついてない。髪のセットはいいや


え？しっかりしろって？うるさいな、遅刻しなきゃいいんだよ！バレなきゃ犯罪じゃねえんだよ！
はい、ふざけました。ごめんなさい。


『ほら、ころん！起きろ！』


ころんはまだ眠っている。おい、はよ起きろや


「うーん…おっp『はい、黙りましょう』」


こいつは、寝言で言ったのか？だとしたらダメだよな。寝言に返事しちゃいけない。みたいなやつあるよね。


『遅刻すんぞ？』


宿題もやってないから、もうなにもかも終わってますけどね


「食パン咥えて今レッツゴー…」


右手を高く上げるころん。うぉい、なにしとんじゃ


私はころんが寝ている間に制服に着替え、ハンカチなどの小物の用意をする。


とりあえず、ころんのお腹の上にハリー○ッター全巻を置いておくぞ。あの厚い本。


私はリビングに行って、食パンを口にくわえる。


『ひってひまふ！(行ってきます)』


朝から忙しそうなお母さん、呑気に新聞を読んでいるお父さん、優雅にコーヒーをすすっているお兄ちゃんに声をかける。


「ちゃんところんくんつれていくのよ〜」


「お、行ってらっしゃい」


「お兄ちゃん頑張って彼女つくるからな！」


おい、最後のなんだよ まぁ、頑張れよ


「ふわぁ…おはよーございます」


いつのまにか制服に着替えていたころん。あの本が苦しかったのか


「おい、お前覚えとk」


『はいはい。』


ころんのうるさい口を食パンで塞ぐ。


「あぶねえな！」


『先行くぞ』


「待てや！」


お邪魔しました、と礼儀正しく私の家族に挨拶をして、私のいる玄関に来る。


靴を履いたら、家を飛び出す。


やべえ、宿題どうしよ。



ま、まぁ？天才のAちゃんなら⁈簡単ですけど⁈


え、焦ってる？ もう、ばかぁ！


『可愛い？』


「どこが？ただのうざい女だけど」


隣を走っているころんからは私の望んだ返事は返ってこなかった。


こいつに日本の政治を丸1日語ろうかな 一生終わらねえよ

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