検索窓
今日:24 hit、昨日:2 hit、合計:137,978 hit

33 ページ38

Aside


「紹介するよ私の娘、森Aだ。」

私はある日父に連れられて滅多に人を入れない私の部屋に2人の少年を連れてきた。
1人は包帯を何箇所も巻いている少年と、帽子を持った少年だった。
私は薬を投与された後だったので体の自由が利かず、薄らと目を開け彼らを見た。

「彼女は死んでいるんですか?」

包帯の少年が言う。

失礼な人。

いくら血の気が無くても…。

まあ私のこの青白い肌を見ればそう思うわね。

「いいや、彼女は薬で体の自由を奪われているだけだよ。」

ニコッと父は答えた。

「首領は何故俺達に彼女を紹介したんですか?」

帽子をもっている少年がいう。

そうだ。

私も思った。

何故私が人と関わるのを嫌う父が自ら私を人に紹介するのだろう。

「この子が今日君達が行く仕事に同行するからだよ。」

父の考えが読めなかった。

何故この人達の仕事に私を同行させる意味。

私は体をゆっくりと起こした。

父は嬉しそうに「おはようA。」と言った。

私は父を無視して二人の少年に不思議そうな目を向ける。

包帯の少年が私の手を取ってきた。

「初めまして私は…」

と自己紹介をしようと思ったのだろう。
が、父が私の手を取った包帯の少年の手を払い、割って入った。

「太宰君大丈夫だよ。
この子に自己紹介は必要ない。
何故ならどうせ忘れてしまうからね。
彼女に余計な情報を与えないでおくれ」

そう。

私には、最低限の事しか教えてはいけない。

例え仕事の同行者の名前など知る必要が無い。

之が私の普通なのだ。

「……仕事…何?」

と父に聞く。

「ある組織を潰して欲しくてね。
君は連れていかれた所で暴れるだけでいいよ。」


「…お言葉ですが、首領。
俺達は何を…」

帽子をかぶ……帽子君は父に質問する←

私が暴れたら同行してくるこの二人の仕事が無いじゃないか。

「ああ、君達はただ彼女を見ていればいいよ。
もし暴走したりしたら…止めてね。」

「暴走?」

包帯の少年が興味深そうに聞いてくる。

この包帯の少年、感情が読み取れない…。

「ああ、彼女には暴走しないように薬を投与しているが、念には念を…ね。
もし止められなかったら、ヨコハマが血の海になりかねない。」

物騒な事をいう私の父。

「結構は夜12時。それまでAは寝ているといいよ。」

そう言って二人の少年を連れて部屋から出ていった。

ガチャリ

しっかりと鍵を閉めて。

34→←32



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

麌 琴音(プロフ) - ゆっき〜なさん» ありがとうございます!更新亀ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです! (2017年11月6日 5時) (レス) id: 177fd1c1c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっき~な - 初めまして!面白いです。頑張ってください( ・∇・) (2017年11月6日 0時) (レス) id: 597d4e34a8 (このIDを非表示/違反報告)
麌 琴音(プロフ) - らんら♪さん» らんら♪さん見つけられてよかった!ありがとうございます (2017年10月26日 5時) (レス) id: 177fd1c1c3 (このIDを非表示/違反報告)
らんら♪ - やっと見つかったw面白いよ!頑張ってね (2017年10月25日 23時) (レス) id: e91c587f64 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:麌 琴音 | 作成日時:2017年10月18日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。