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Aside
「すみません。」
男の警官が声をかけてきた。どうやら周りに居た人が通報したらしい。
私は立ち上がりニコッと笑うと警官は頬を染める。何故か中也はムッとしている。
「お仕事お疲れ様です。
どうしましたか?」
理由は分かっているが、態と何事も無かったという態度をとる。
「え…あぁ、此処で長身の男に首を絞められる金髪の女の子が居ると聞きまして。」
チラッと警官は中也を見る。
中也は
「は?俺だって言いたいのか?」
不機嫌そうに言う中也に警官は即答する。
「いえ。長身という情報でしたので。」
中也は拳を握るが、私は「…抑えて」とぼそっと言うと彼は怒りを抑える。
「…そうでしたか。誤解をされても無理ありませんね。私達は某劇団員でして劇の練習をしていて、戦闘シーンを此処で練習していまして。それを見た周りの人達は勘違いをして通報したものだと思います。今後とはこういうことがないように致しますね。お騒がせしてしまってすみません。」
と言葉を並べ頭を下げると警官は戸惑い「いえ、何もなければいいんですよ」と言ってくれた。
私と中也は警官を見送った。
「よくあんなセリフを思いついたな。」
と中也は驚きを隠せなかった。
「誰の元で側近をしていたと思う?あの人はこういうの得意だったじゃない。」
私はニコッと微笑むと中也は「あの糞太宰、此奴に変な事教えるんじゃねえよ」と頭を抱える。
中也にネックレスをつけてもらい、そしてその彼と同じ手袋をつけた。
「…ふふ」
と笑顔が零れる私。
その様子を見た彼は、
「…A」
「ん?」
「……此から…こういうふうに会えないから。
見かけても俺に近付くな。」
「…うん。バレたら中也の立場も…中也の努力も無くなる…からね。」
分かってる。
頭では分かっているが
私は何故か中也の手を握った。
何故そんな行動をしたのか分からない。
彼を困らせたい理由ではない。
でも手を離せなかった。
「……A。」
「……。」
「…そのまま聞いてろ
俺は御前の隣に立ちたい。今はまだ俺の立場じゃ無理だ。堂々としてお前を迎えにいけるようになるまで待っていてくれ。」
「…えっと…本で見た事ある…求婚?というものを言われてるみたい」
「俺は其のつもりだが?」
驚きの余り私は手を離した。
中也は離れていこうとした手をとり、手袋を外させ手の甲にキスを落とす。
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麌 琴音(プロフ) - ゆっき〜なさん» ありがとうございます!更新亀ですがこれからもお付き合いいただけると嬉しいです! (2017年11月6日 5時) (レス) id: 177fd1c1c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっき~な - 初めまして!面白いです。頑張ってください( ・∇・) (2017年11月6日 0時) (レス) id: 597d4e34a8 (このIDを非表示/違反報告)
麌 琴音(プロフ) - らんら♪さん» らんら♪さん見つけられてよかった!ありがとうございます (2017年10月26日 5時) (レス) id: 177fd1c1c3 (このIDを非表示/違反報告)
らんら♪ - やっと見つかったw面白いよ!頑張ってね (2017年10月25日 23時) (レス) id: e91c587f64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麌 琴音 | 作成日時:2017年10月18日 21時