守りたいもの【中原中也】

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中原中也side


恋心と尊敬は近い感情だと何処かの本に書いてあった。

恋心を尊敬と勘違いしたり




尊敬を恋心と勘違いしたり







だからAが心配だ




「…ハァ…」


彼奴を逃がしてから1日が経った。
マフィア内はAの捜索に追われていた。


俺は彼奴の事が頭から離れない。


昔から太宰を慕う彼奴の姿は恋をしている女の姿に近かった。




もしAが太宰に対する心が恋心だと思ったら俺はどうしたらいいのだろうか。




そんな不安が頭から離れない。




(まだ１日しか経ってないのに…情ねえな俺。)


そんなことを思いながら
俺は首領の部屋のドアをノックする。


「中原です。」



「入りたまえ。」



部屋に入ると彼奴の父である、そして彼奴を逃がす原因を作った森鴎外が机に肘をついていた。





顔は笑っていた。






「……ご要件は…」



「仕事を少し頼もうと思ってね。」


(そんな事、態々？)
「分かりました。」


俺は渡されたプリントを受け取り部屋から出ようとドアノブに手をかけると、



「やってくれたね中也君」



気付いていた。



流石だと思った。



俺は黒い笑顔で、

「…何のことでしょうか？
…では失礼します。」


首領に一礼して部屋を出た。

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