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始まりの日 ページ1





ピーピッ ピーピッ ピーピッ ピーピッ ピー ブツッ



「んん … 、」



午前7時を告げるアラームをどうにか止め、目を覚ます。


しばらく布団の中でごろごろして、やっとの思いで身体をひきずりながらベッド横のカーテンを開ける。



「今日も雨、か」



季節は6月に入りここ最近はずっと雨が降り続いていた。
雨で身体はベタつくし、寝癖はいつもより厄介になるし、蒸し暑いし …



俺は梅雨なんて大っ嫌いだよ。



ベッドからでて、眠たい目を擦りながら壁にかけてある学ランを手に取り、着替える。



「あ”〜、腹減った!!」



やっと眠気が覚め頭が働きだすのと同時に空腹がやってきて、堪らなくなった俺は急ぎ足で階段を駆け下り1階のリビングへ向かう。



「あ!大ちゃん、おはよ〜!!」



俺の姿を見れば満面の笑みで駆け寄ってくるこの子は中島裕翔。
ここの最年少で 小学5年生の男の子だ。



「んは、今日も元気だな〜!!」



そう言って頭を撫でてやれば「 もう子供じゃないしー。」とわざとらしく頬を膨らませる。
そんな裕翔のことを俺は弟のように思っている。


…でも、血なんて繋がってないのだけれど。


俺が今生活しているこの場所は、小さな孤児ハウス。

孤児ハウスとは 大人数の子供と何人かの大人が一緒に暮らしているような孤児院とは少し違くて、9歳以上になった子が施設をでて自分達で暮らしていく力をつける為に、4〜6人の子供達だけで共同生活をする、という場所だ。
この孤児ハウスには、俺を合わせて4人の子供が生活している。


とは言っても 俺がここにお世話になり始めたのは小学6年生の夏で、昔から孤児だったわけでは無いのだけれど。



「お、大ちゃんおはよ〜。今日も寝癖すっごいなぁ。笑」



リビングで裕翔とお喋りをしていると キッチンの方から美味しそうな朝ごはんを手にしてやってきたこの人は高校2年生の八乙女光くん。


料理が上手いから 俺たちの朝ご飯と夜ご飯は光くんが担当してくれていた。



「湿気でどうにもなんねーのよ… 、んわ!美味そ〜!」



寝癖を手で抑える俺に苦笑しながら、光くんが俺の前に朝ご飯を並べてくれた。


野菜たっぷりのお味噌汁と、甘い味付けの卵焼きと、焼き鮭と白米。こんなのが朝から作れるなんてほんと凄いよなぁ …



光「じゃあ、皆手を手を合わせて。せーの」



「「「いただきま〜す!」」」



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作者名:ななちね | 作成日時:2023年10月22日 15時

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