政略結婚とはいえ、許嫁の私より妹を優先するのですか？【d!】

21話 ページ22

大体勘づいてはいたのだが、彼の一言によって全てが確信に繋がった。

逃げた私を追い掛けてきたなんて、本当に良い性格をしていらっしゃる。

そもそも貴方と婚約を破棄してから今まで、グルッペンとの面会が合ったときでさえも貴方にバレないように必死に隠れてやってきたのに。




『…………………………どうして、』




貴方に諦めてもらうために、こんな扱いを受けながらも離婚なんて絶対に申し出なかったし、沢山拒絶した。忘れた日なんてなかった。

それなのに、アンタはアイリスの婚約者になってまでこの家に、私に近づいてきて……





コネ「俺は好きやから。諦めるつもりなんて、ないで。」

『……………………』

ショピ「……ふはっ…w流石コネシマさん道理で顔と金目当ての女以外寄って来ないわけっすわww」

コネ「どういう意味や」




絶句した。これが相思相愛だったのなら、白馬の王子様だったのなら、どれだけ素敵だっただろうか。

濁った水色が私の目を通って、どろどろした感情が脳にまで侵食してくる。ヤバイ、コイツといると本当におかしくなりそうだ。

そんな私を知ってか知らずかさっきから隣にいる男は、ずっと面白おかしそうに笑っている。何が面白い、何故笑っている？

やはり主人がおかしかったら従者もおかしいのか。こんなイカれた集団なんて、見てられない。





『……………………ｯあ、の。』

コネ「！…なんや？」

『……………私は、ｽｩ……………貴方の事を好きになる、とか……貴方の元に戻りたい、とか思うことや、言うこと、はこれからも二度と……、永遠に、ないので……』

『だから…………関わるの、やめてください。迷惑ですので』





精一杯の拒絶だった。

何年ぶりだろう彼と会話するのは。もう二度と絶対にしたくなかった。

彼と同じ空気を吸うのでさえ嫌なので、言葉を言い切ると立ち上がってドレスについた土ぼこりを払い、そのまま走って城の中へ入っていった。







コネ「………………………ほぉ…ふぅん。」

ショピ「滅茶苦茶嫌われてるやん。何やったんですかあの子に」

コネ「うっせ。お前は知らんでええねん」



















大丈夫や。これからゆっくり、俺無しじゃ生きれん体にしてあげればええ。

濁りきっていた瞳の奥が、ハイエナのようにギラリと光った。

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