74話 ページ26
荷物の整理が終わり夕ご飯を食べに行こうとロボロと一緒に部屋を出ると、目の前一杯に煙草の臭い匂いが漂った。
久しぶりに吸った独特の匂いに思わず咳き込むと、ロボロが背中を擦ってくれる。
煙草、この家で煙草を吸っていた人って、限られてくるはず。
『ごほっ……………ウツさんですか？…室内で煙草吸わないでくださいよ』
ウツ「ん？…あー……………なんや、A様やん。帰ってたんやね。」
私の声に反応しウツさんはこちらに振り返ると、一瞬目を細めた後、前と変わらないへらへらとした顔でこちらに笑い掛けた。
ごめんごめんと謝りながら吸っていた煙草を床に落とし靴で擦りながら火を消すと、「何で居るん？」と問いかけてくる。
…というか、地面に灰が付くからそれもやめてほしいのだが。
『グルッペンが迎えに来て、戻ってきました。』
ウツ「へえ。…………俺場所教えてへんのにね。分かるもんなんや」
どこか残念そうにしながらもまた新しい煙草を取り出したウツにもう一度注意すると、反省してなさそうに渋々喫煙室へと向かっていった。
彼に別れを告げ食堂にご飯を食べに行くと、もう既に皆揃っていたようで。空いていた席に座り黙想すると、そのまま皆とご飯を食べ始める。
食事は確かに美味しいのだが、何処からか視線を感じて何とも居心地が悪い。
まあ一応、私を嫌っているのはこの家の使用人も同様だし。久しぶりに戻ってきた私に嫌気が差している人もいるのだろう。
『………………ご馳走様でした。』
十分に咀嚼もせずに食べ物を胃に詰めると、そそくさとその場から逃げるように私は席を立った。料理は本当に美味しかったからそんな”食べる”という行為にも及ばない行動に少し罪悪感を覚える。
グルッペンも、もう食べ終わったのか？と疑問に思っていたし、母と雑談をしていたアイリスは横目にちらっと私のことを睨んでいた。
その様子を見ていたシャオロンが、急いで胃に食事を詰め込み、食堂の外へ出ようとする私の後ろに着いてくる。
シャオ「ごしゅひん、まっへ」
『食べてる途中に出てきちゃだめでしょ。』
シャオ「……………………。食べ終わったで！」
彼はその場で必死に口の中に入っている食べ物を咀嚼し飲み込むと、そのまま口をあー、と開けた。
健気だな、と思いながらもマナー面を思い叱ると、反省したように謝罪する。
『シャオロン』
シャオ「……？どうしたん」
『…………………いや、なんでもない。』
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清水(プロフ) - ねおさん» コメントありがとうございます!今後どういう展開になっていくのか、更新頻度をなるべく上げられるよう頑張らせていただきます。 (2月14日 22時) (
レス) id: 17bca52c33 (このIDを非表示/違反報告)
ねお(プロフ) - 更新が嬉しすぎる…！z.mニキどうなるのかすごい気になります！おs.h.oも何されるんだ、、。無理なさらずに更新頑張ってください！ (2月14日 20時) (レス) @page24 id: c2f9d03b74 (このIDを非表示/違反報告)
清水(プロフ) - 田中さん» コメントありがとうございます！沢山設定を練り込むのが好きなのでもっと凝った作品を作ろうと模索していたのですが、伏線を張りすぎて内容が理解しづらくなっていないかと少し不安でした…ですが、そう言って頂いて嬉しいです！更新、気長にお待ちいただけると幸いです (10月29日 23時) (レス) id: 17bca52c33 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - おもしろかったです！伏線が散りばめられてて、ドキドキしております、 (10月26日 23時) (レス) @page18 id: d6054e066b (このIDを非表示/違反報告)
清水(プロフ) - オンブルさん» すみません実は合ってます……後々ある伏線となりうる要素として変換しておいたのですがやはり不自然すぎますよね…。コメントいただき有り難うございます。 (7月2日 19時) (レス) id: 17bca52c33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清水 | 作成日時：2023年1月1日 21時
