百二十八本 ページ33
日向side
そいつは廊下の防火扉を遮蔽物に使い
その暗闇の中をカセットコンロで移動して
潜り込んだ廊下から
夜行塗料を目印にして十神を刺し殺した
だったら、その犯人と考えられるのは…
｢花村…もしかしてお前なんじゃないか？｣
花｢………えっ、何っ！？なんの話っ！？｣
小｢は、花村が犯人って…そうなのっ！？｣
威『そんな…嘘でしょ？花村君が犯人…？』
花｢な、何言ってんのさ！そんな訳ないじゃん！｣
｢もちろん今のは単なる俺の“推理”だ…だから…反論があるならいくらでも言ってくれ｣
花｢は、反論も何も…どうしてぼくが犯人扱いされなくちゃいけないのさ…｣
｢だって…明かりに使われたカセットコンロは、厨房にあった物なんだぞ｣
花｢そ、そんな理由だけで犯人扱いされるの！？そんなの横暴だって！｣
筒｢うーん…確かに、それだとちょっと強引なのかなー？｣
花｢酷いよ酷いよ！酷過ぎるやいっ！！｣
狛｢あぁ…花村クン…そんな態度はキミらしくないな、超高校級の料理人という素晴らしい才能を持つキミがそんな風に取り乱すなんてさ…｣
花｢シェフって呼んでよ…｣
狛｢もし、キミがこんな冤罪に倒れてしまったら、未来の料理界は誰が支えるの？｣
花｢み、未来の料理界…？｣
狛｢そうだよ、未来の料理界の為にもキミは正々堂々と立ち向かわないといけないんだ｣
花｢そ、そっか…うん…そうだよね…っ！｣
終｢ところでエンザイってなんだ？うめぇのか？｣
西｢サッチュウザイってのも美味しいらしいよ、後で試してみれば？｣
｢狛枝…なんでお前がしゃしゃり出て来るんだよ！｣
狛｢たとえば、犯人が明かりを使ったとしようか？そして防火扉を遮蔽物に使ったとしよう…で、そこから倉庫に移動して床下に潜ったとして、その後はどうするの？床下だって真っ暗なんだし、そこからどうやって十神クンを刺すの？まさか、明かりで彼を照らして刺した訳じゃないよね？標的に気付かれたら一巻の終わりなんだよ？｣
花｢そ、そうだよ…その点についてはどうなんだよっ！？｣
｢そ、それは…｣
狛｢答えられる訳ないよね？キミ自身はあの床下を捜査してないもんね？｣
小｢それなら田中が知ってるはずだよ！実際に床下に潜ってるんだし！｣
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2024年1月8日 0時
