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横山side
真宮寺くんは他の皆と違ってグイグイ近寄ってこない
今までそんな人いなかったから
僕の方がどう接していいか分からない…
…真宮寺くんはボクに興味ないっぽいし
皆はボクを凄い人だって言うのに
真宮寺くんは久々に親戚と会った子供くらいみたいに
反応が薄かった
まぁそっちの方がキャラを作らなくていいから
ちょっと気が楽なんだけどね
『…ねぇ、それって真宮寺くんのお弁当？』
真「嗚呼、そうだヨ」
真宮寺くんのお弁当は
お金持ちみたいに凄い豪華ってわけじゃないけど
卵焼きとかも凄い綺麗で、丁寧に盛り付けられていて
まるでプロが作っているように見えた
『美味しそうだね〜自分で作ってるの？』
真「母さん達はいつも何かと忙しそうだからネ、家の事に関しては全て僕がしているんダ」
『そうなんだ、真宮寺くんって…凄いね！』
真「何がだイ？」
『真宮寺くんのスペックだよ！ボクこんなに美味しそうなもの作れないし、家事なんてもってのほかだし…凄いねぇ、真宮寺くんってモテるでしょ〜高スペだもんね〜』
真宮寺くんはボクに無いものを全部もってる
身長に顔、家事能力も性格も
そして何かに対する執着心
ボクは人よりちょっと演技が得意なだけで
他には何も出来ない…
演技という鎧を引っぺがされたらボクには何もない…
真宮寺くんが羨ましい…
真「横山君、僕は君が思っている程凄い人間じゃないヨ、そんなに卑屈になる必要はないサ」
真宮寺くんはそう言ってお弁当の中から
ふわふわの卵焼きを取り出してボクに差し出した
真「君の苦労を僕が理解する事はできないけど、でもね、僕という存在が、君にとって少しでも心を許せる存在になれたらいいと思っているヨ、ほらお食べ」
ボクは差し出された卵焼きを口に入れた
それは今まで食べたモノの中で初めて美味しいと思えた
真宮寺くんが格別料理上手ってのもあるけどね
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月25日 2時
