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《 幸せな親子 》 ページ40
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バラエティ番組が流れる明るい家の中には
冷えきった鍋を囲む親子3人の死体
そしてそれを眺める怪しい青年が立っていた
青年は冷たい鍋をつつきながら
テレビを見て楽しそうに笑っていた
「お母さん今日の晩御飯はキムチ鍋なんだね」
「なんたって今日はお父さんの誕生日だもの、朝早くに起きてケーキも作っちゃったわぁ」
「聞いてよお兄ちゃん、朝からずっとお母さんの買い物に付き合わされてたの」
「なんだか申し訳ないけど、ありがとうな」
静かな部屋に響く声は力無く笑った
怪しい青年は腹が膨れて満足したのだろう
空っぽの鍋を捨てて家を出た
町にはたくさんの人がいる
買い物帰りの主婦や下校中の子ども達
楽しく縄跳びをする親子や習い事行きの少年達
それぞれ楽しそうに話すみんなを
青年は軽蔑したような目で見つめていた
「今日はやる事が多くて大変だなぁ」
青年はポケットに入れていた物をカバンに戻して
元々カバンに入っていた教科書を溝に流した
周りに誰もいない事を確認したら
野良猫の集う路地裏に血塗れた凶器を捨て
そのまま人混みの中へ姿を消した
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月25日 2時
