【真宮寺是清】君は誰よりも美しい【男主】 (ページ38)

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真宮寺side

姉さんの美しい香りがまだ部屋に残っている
冷たい僕を…癒してくれる愛しい姉さん

でも…ふとスマホが気になった
何も鳴っていないスマホの画面は
僕が横山君にメッセージを送った画面で止まっている

そろそろ横になろうかと考えたその時
横山君から電話がかかってきた
突然の事だったけど
何となく…出なければいけないと思った

〈『真宮寺くん…ごめんね突然電話しちゃって…』〉

｢それは別に構わないけれど、突然どうしたんだイ？｣

〈『うーん…突然声が聞きたくなったから…かな…』〉

そう言って横山君は力無く笑った
もしいつものように隣で話していたら
横山君の為に何か出来ただろうに

「横山君…泣いているのかイ？」

〈『…真宮寺くんは本当に凄いなぁ…ボクの事なんでも分かっちゃうんだねぇ…』〉

「何があったのか聞かせてもらえないかナ」

〈『…あのね…今日お仕事でミスしちゃって、お母さんにすごく怒られちゃったんだ…一生懸命頑張ったんだけど全然上手に出来なくて…』〉

横山君が決して他人には打ち明けない苦しみを
僕に話してくれている
こんなに光栄な事はない…

「…横山君、僕に何かできる事はあるかイ？僕の初めての友達に、僕にできる事をしてあげたいんだ」

〈『ボク…真宮寺くんと話してる時が1番幸せなんだ、だから…これからもボクと友達でいてくれる？』〉

「勿論サ、僕も同じ事を思っていたからネ」

興味のない事に無理に付き合わせている
と思っていたのだけど
面白いと感じてくれているらしい

先程まで暗かった彼の声色が
少しだけ明るくなったように思える
こんな僕が横山君の力になれて良かった