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是清はそのまま
横山君の手を引いてそのまま病室を出ていった
その間、是清は私の方を一度も見なかった
嗚呼…酷いわ
是清は私の事を愛している筈なのに
…あんな子に目移りするなんて
ーーーーー
わたしの病室からは、病院の外がよく見える
だから…是清が、私の是清が
横山君と楽しそうに話しているのが
しっかりと見えるの…
嫉妬というのはこんな気持ちなのね
痛くて苦しくて…こんなにも…悲しい
是清には私だけを見ていてほしい
永遠に私だけを…
…こんな恐ろしい事を考えているなんて
是清に知られたら、きっと嫌われてしまうわ…
こんな醜い心を持っている私に…
貴方は優しく微笑んでくれるのね
是清は、横山君を見送って…私の方を見た
嗚呼、きっと貴方は気付いていない
私に微笑みを向ける貴方の目は…あんなにも冷たい
感情の全てを私が分かる日が来る事は無いけれど
きっとそれは…私には、家族には本来向けないモノ
私が是清に向けた感情と、きっと同じ…
昔から気付いていたわ…是清は私を愛している
本当に心の底から愛している、私も同じ…
けれど是清は私を一人の女として愛していない
私と違って一人の異性として見ていない
ずっと前は、それでよかったと思っていた
誰にも非難される事なく私達二人が側にいれるなら
それでよかった…
…けれど今は違う
私を見ていない是清が、私から是清を奪った彼が
今は…腹立たしくて仕方がない
お願い横山君…私から是清を…
愛する弟を…愛する彼を取らないで
私から何も奪わないで…
こんなのは、ただのつまらない嫉妬…
だから…早く忘れて…今まで通り平和に暮らしましょう…
早く忘れなければ…
勘のいいあの子はすぐに気が付いてしまう…
早く…忘れて…
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月25日 2時
