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真宮寺side
横山君は常に神経を尖らせているのだろう
メガネを外す前に、きっちりカーテンを閉めていた
???「貴方が、是清のお友達なのね…」
姉さんは幼い頃から彼のファンだから
横山君が目の前にいるという現実に
少なからずテンションが上がっているだろう
そこのところを深く考えていなかった自分に嫌気が差す
彼は良くも悪くも俳優としてはプロだ
だから彼が家に帰るその時まで
俳優としての横山Aを演じ続けるだろう
…横山君と話す姉さんはとても楽しそうで
この世界に姉さんと横山君だけしかいないのではと
そう思ってしまった
僕はそこらに咲く野草で
偶然にも意識を持ってしまった第三者
全てが彼らの為だけに存在しているような
そんな感覚が僕を支配した
このまま誰にも気付かれずに消えてしまいそうな
誰も僕の存在に気がついていないかのような
そんな空気に…呑まれそうだ
横『真宮寺くん、ちょっと疲れた？』
「...え？」
横山君は姉さんには聞こえないように
僕達二人以外には聞こえないように
小声で話しかけてきていた
横『ここは真宮寺くんと君のお姉さんの大切な場所なのに…赤の他人であるボクが入り込んじゃったから…真宮寺くんは自分でも気付かない間に疲れてたんだね』
気が付くと太陽が沈んでいて
窓ガラスに微かに写る僕の姿が見えた
本当に微かにだけれど、確かに見えた
姉さんの前だというのに
本当によく見なければ分からないほどだが
確かに疲れが見えた…
横『…ボクそろそろ帰るね、真宮寺くんとお姉さんの大事な場所をこれ以上汚したくないから』
横山君は時折不思議な事を言う
まるで病室を聖地のように…
こんな狭い部屋が神聖な場所であるわけがないのに
???「もう帰ってしまうのね、よければ外まで」
「僕が送って行くヨ…だから姉さんは待っててネ」
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作者名：コヒ・ミルキー | 作成日時：2023年11月25日 2時
