【真宮寺是清】君は誰よりも美しい【男主】 (ページ3)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:692 hit

1 ページ3

真宮寺side

僕の視線に気付いたのか、彼はこちらを向いた
そしてすぐにいつもの明るい彼に戻った

横『あれー真宮寺くんじゃ〜ん、ここで何してるの〜？』

｢こちらのセリフでもあるんだけどネ｣

さっきから言っている彼っていうのは
超高校級の俳優であり、僕の同級生でもある横山A
この学校でも、世間でも知らない人はいないという

彼が出ている番組のジャンルは幅広く
今どきは幼児でも何度か見かけるらしい

僕はあまりテレビを見ないから
そこら辺についてはよく分からないけどネ

｢僕は休憩サ、同じような授業ばかりで疲れたからネ｣

横『凄い奇遇だね、ボクも休憩なんだ！…実はね？今日は朝早くからドラマの撮影があったんだ〜それが終わったら学校で勉強だよ〜？そんなに頑張りすぎちゃったらボク倒れちゃうからさ〜』

｢そうなのかい？それなら僕はいない方がいいかナ｣

一応僕も超高校級の民俗学者と呼ばれていて
様々な土地を見回っているけれど
幼い頃から俳優として活動している彼からすれば
きっと大した事ないんだろうネ…

横『…えっ！？』

｢どうしたんだイ…？｣

横『せっかく会えたのに…もう行っちゃうの？』

横山君は先程の笑顔と打って変わって
迷子になった子供のように、滲んだ瞳を僕に向けてきた

彼とは親しい間柄ではないから断る事もできるけど…
彼から漂う雰囲気は悲しそうで、寂しそうで
…とてもじゃないけど断れる雰囲気ではなかった

｢君がいいと言うのなら、ここにいてあげるヨ｣

横『本当…？ふふっ、やったぁ』

さっきの悲しげな雰囲気から一変
横山君はいたずらっ子のように微笑んだ

横『…ボクは超高校級の俳優だからね、ちょっと嘘泣きをするなんて造作もない事だよ』

｢君の言葉は、一体どれが本当なのかナ？｣

横『君にここにいてほしい…これは本当だよ』

｢ククッ…そうかイ、僕にそんな事を言うなんて…君という人間はなんて興味深いんだろうネェ、君がそう言うなら、僕は喜んで君の傍にいるヨ｣